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Posted by ブクログ
長編に挫折して以来、手付かずだったのですが。
これはこれは!
しょっぱなの「貸金庫」、読んで終わったところであまりの切なさに鼻の奥がツーン。うそー。自分でびっくり。でもホント。えかったー。
確かに物理弱いとツラいところもあるけどその辺乗り越えてでも読みたいと思わせるところがあり。そういうのナシのも割とあり。
喰わず嫌いを反省した次第。これ読まずに過ごしていたら・・・と思うと勿体無いどころの話じゃなかったわ。理系さんだけには独占させておけませんよ!
Posted by ブクログ
短編集。一編毎に全く違う世界が描かれていて、多彩さに驚きました。
それぞれの環境の中で、アイデンティティ、私というものをどこに求めるかが突き詰められていて、読みごたえがありました。
Posted by ブクログ
小学校の理科の時間に、口の粘膜を綿棒ですくって顕微鏡にかける実験があった。接眼レンズを覗くと、本当に教科書で見たような細胞があった。
「祈りの海」の主人公が覚えた衝撃は、そのときの記憶に似ているかもしれない。
地球とは別の海の星で、主人公の「ぼく」は暮らしている。幼いころにある体験をして、それ以来大いなる女神の存在を信じている。しかし、成長した彼が自らの研究で判明させたのは、その体験が単に微生物の排泄物がもたらす幻覚だったという事実だ。
信じていたものから神秘的な(俗悪な)ヴェールを剥ぎ取られ、主人公の拠り所は一気に瓦解する。
発想の点では、「誘拐」の、「人の心の誘拐」が一番刺激的だった。ただ、ヒューゴー賞を獲ったのは「祈りの海」だというのには納得する。
人は知性という松明で世界を照らしてきた。明るすぎる松明は人自身をも照らしてしまう。暗闇からぬっと現れる顔面像は、人が望むナルシシズムの幻想を少なからず壊してきた。
けれど人は、「祈りの海」の主人公のように前に進める。進むしかない、とも思う。
イーガンのようなSFは、もちろんScienceFictionだけれども、知性を足場に世界を覗きこむことにおいて、現実とあまり変わらないように感じる。この小説の知性の光によって、わたしたちは太陽のもとで腕に走る血管の網目模様を見るように、わたしたちの意識の組み合い方を見ることが出来る。
Posted by ブクログ
「貸金庫」★★★
「キューティ」★★★
「ぼくになることを」★★★
「繭」★★★★
「百光年ダイアリー」★★★
「誘拐」★★★
「放浪者の軌道」★★★
「ミトコンドリア・イヴ」★★★
「無限の暗殺者」★★
「イェユーカ」★★★
「祈りの海」★★★★