あらすじ
セウォル号沈没という大事故はなぜ起こったのか。なぜ多くの命は奪われたのか──。次々と明らかになる日常的な汚職、事故後の社会葛藤の凄まじさ、政治劇。かつて朴正煕元大統領は「我が五千年の歴史は、一言でいって退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であった」「このあらゆる悪の倉庫のようなわが歴史はむしろ燃やしてしかるべきである」と言った。事故を受けて韓国紙は「韓国は『三流国家』だった」「あちこちにセウォル号」と書いた。ローマ法王は「韓国民が、この事故を契機に、倫理的にも“霊的”にも生まれ変わるよう望む」と述べたが、日本の大手新聞は法王の言葉をスルーした。 ―――――――――――――――――――――あの国のこんな葛藤にまだつき合いますか?―――――――――――――――――――――大事故の背景にある「腐敗システム」と喧騒……「ケンチャナヨ」「パリパリ」文化、責任者の「先逃」、「滅公奉私」、噴き出した葛藤・煽動・声闘・謝罪をめぐるまた葛藤、その間にノーチェックで進んだ対中傾斜と「反日」新原則――隣国の「真の姿」を、かの国の報道からつまびらかにする。
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Posted by ブクログ
朴槿恵大統領辞任前の本だからちょっと古いんだけど。セウォル号事件。
哀しくなるね。
まさに、ディスイズコリア。
今回のハロウィン事故でも同じような感覚を覚える。
反省しねえ。
自分に責任あるとは思わない。
誰かを吊るす。
自分は正しい存在であるべきだ。
ケンチャナヨでパリパリ。
失敗したら運か誰かが悪いだけ。
変えるつもりはなく、代わって欲しいだけ。
解決するわけねえ。
Posted by ブクログ
韓国船セウォル号の沈没事故で、多くの命が奪われた。
異常な違法改造、恒常的な過積載、そして、シーマンシップに欠ける船員の行動、救助活動のお粗末さ、拙く見当違いに思える政府、大統領の対応など、事故の概要はニュース等の情報から伝わってはきていた。
しかし、なぜ、そんなことが起きたのか?という原因。敢えて言えば、なぜ、そのような酷い人為的エラーを重ね続けられたのかという疑問を持っていた。
筆者が時事通信記者、ソウル特派員等を務めた経験等を踏まえた韓国の状況、韓国人の考え方等についての研究をベースに事故を分析する。
事実と分析を淡々と、簡潔に、事故が発生するに至った経緯、対応について総合的に書かれている。
率直に言って、事故は起こるべくして起こったのだと思えるし、事項対応の拙さも、なるべくしてなったのだと思えた。
本書は、嫌韓本では無いと思う。
これと同じ手法で、福島第一原発の事故について分析した本をぜひ読みたいと思った。
おそらく、そこには起こるべくして起こった事故に至る経緯、そして(現場対応を除く)対応の拙さ、さらに情報の意図的な捻じ曲げ、隠蔽。さらに、誤魔化し続けている現在の危険等が赤裸々に描かれることになるだろう。