あらすじ
知りたい基本が一気にわかる。Q&A付で読みやすい。
この本を読めば、ピケティと『21世紀の資本』のポイントが60分でわかる!
サブテキストとして最適の「超」入門書が、日本初登場!
ピケティについて知りたい人、『21世紀の資本』を読みこなしたい人全員におすすめ!
この1冊で、ざっと「基本」を身につけよう!
【第1章「ピケティQ&A」より】
Q すごい厚さですが、要するに何が書いてあるんですか?
Q それだけのことに、なぜ700ページも必要なんですか?
Q 19世紀の所得や資本をどうやって測定したんですか?
Q その結果、どういうことがわかったんですか?
Q この不等式はどういう意味ですか?
Q 資本主義で格差はずっと拡大してきたんですか?
Q 『21世紀の資本』の何が画期的だったんですか?
Q こんな専門的な本が、どうしてアマゾン・ドットコムのベストセラー第1位になったんですか?
Q ピケティってどういう人ですか?
Q アカデミックな評価はどうなんですか?
Qこの本はマルクスの『資本論』とはどういう関係があるんですか?
Q 大学で学ぶ普通の経済学とまったく違う感じですが、どう理解すればいいんですか?
Q ピケティはどういう政策を提言しているんですか?
Q 日本とはどういう関係があるんですか?
【主な内容】
第1章 ピケティQ&A
第2章 ピケティをどう読むか
第3章 『21世紀の資本』の3つのポイント
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Posted by ブクログ
日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント 単行本 – 2014/12/12
資本主義では過去200年間、格差が拡大し、今後も不平等が拡大する
2015年10月26日記述
池田信夫氏による著作。
ピケティによると2つの世界大戦後に平等になったというのは資本主義のおかげでは無いのだという。
グローバルな資本課税が必要であると。
(だたこれは実現が難しい)
NHKでもパリ白熱教室と題して21世紀の資本、ピケティの主張を紹介していた。
内容的にはNHKで紹介、解説していた通りである。
ピケティも来日の際にもっと若者に有利な税制にする。
これは富裕層の資産に、もっと高い税金をかけて、
その税収を、若い人たちの子育て支援などにまわすといった提言をしていた。
世代間格差などを考えれば当たり前の主張である。
それをいかに迅速に行うかが日本の今後を左右するだろう。
個人的に驚いたのはP69にある教育が格差を拡大するという項目で教育経済学の分野ではっきりしているのは、世代間の所得の相関が最小なのが北欧で、最大がアメリカだという事実。
原因のひとつはアメリカのエリート大学の学費が極端に高いこと。(1990年以降)
エリート大学に入るには親の社会的地位や大学への寄付などが勘案される。
アメリカが能力主義の社会だというのは、もはや建前にすぎない。
下位50%の低所得層の子供が大学に進学する比率は1970年以降10~20%。
上位4分の1の階層の子供の進学率は40%から80%に倍増。
つまりアメリカは親の所得で、子供の学歴はほぼ予測出来るようになった。
本書を読むとトマ・ピケティの主張することがすぐに分かる。
また日本ではどうなのかという点もきちんと解説しているのが良い。
21世紀の資本や「国家は破産する」のような分厚い本を読む時間は現代人はなかなか無いだろう。
どうしても池上彰氏のような解説が必要になる。
本というのは体裁を整える為に不必要にページが厚くなる傾向がある。
徹底的に無駄を省き薄い本にしたという点も評価出来る点だ。
トマ・ピケティの21世紀の資本の訳本が出版される同時タイミングに出た。
欧米の話題になった書籍(かつ分厚い本)の訳本が出る際にはこういった解説本を同時に出せるかどうかが重要であることを示した。