あらすじ
日進月歩で進化するデジタル・テクノロジー。インターネット、デジタル動画、携帯電話……1と0で構成される世界では、誰もが<著者・情報発信者>になり得る。<モノ>から飛び出した情報は一人歩きし、著作権はあいまいになり、本や写真の奥深い質感は失われていく……。昨日の世界が明日には激変する電脳社会において、時代のテンポに目を奪われる人間は何を喪失し、何を求めているのか。今日のコンピュータ理論を基礎づけた<哲学>の意義を問い直し、「デジタル時代」の現代を斬る異色の哲学書。(内容例)IT革命とは何だったのか/<モノ>から離れた情報は喜びを与えてくれるか/文章表現のカラオケ化/大学の権威は失墜するしかないのか/哲学にとって<現代>とは何か/「書物」の衰退と哲学<者>の権威/「環境にやさしい」に隠された「人間中心主義」/超強力版・人間機械論/クローンにみる「現代人の衰弱」/人間がコンピュータに負けた?
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Posted by ブクログ
黒崎政男氏の本は「哲学者クロサキの MS-DOSは思考の道具だ」から読んでいます。
どれもオススメできます。
本書は新書判ですが★★★★一読の価値ありです。
哲学者の文章はかくあるべし、つまり分かり易いのです。
古くなるようなつまらない情報本ではなく、時をおいて再読出来る本です。
サブタイトルに「時代のテンポに翻弄される“私”」とありますが、けっして翻弄などされてはいません。
本書はハードカバー2,000円で出版されても買って損はしません。