【感想・ネタバレ】侍女の物語のレビュー

あらすじ

【カナダ総督文学賞受賞】男性絶対優位の独裁体制が敷かれた近未来国家。出生率の激減により、支配階級の子供を産むための「侍女」たちは、自由と人間性を奪われた道具でしかない。侍女のオブフレッドは生き別れになった娘に会うため恋人と共に脱出しようとするが……。辛辣なシニシズムで描かれた戦慄の世界。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

設定そのものの特異さをひとまず置いといても、ひたひたと迫り来るような、気がふれそうになるぎりぎりの重苦しさのある文体で、やっぱり名のある文学はすごい、と思わせてくれる小説。SNSの文章をいくら読んでも得られないものが小説には確かにあることを思い出させてくれる。
緊急時の一時的な救済措置という名目で女性の財産を男性のものにする、という法案は現在の日本でも容易く通りそう…と思ってしまう。身の危険を顧みず反対する日本人男性…いるかな…。私だってある日突然こんな事態になったら反対の声なんて上げられないよ。
そして電子マネーなんていとも容易く使用不可能になりますね…。

解せなかったのは、
『彼女は教育のある女性だったようです。当時の北米の大学の卒業生を教育があると言えればの話ですが。(笑い、一部から不満の声)しかし、そんな女性はそれこそ森のなかの木ほどたくさんいるわけで、何の手掛かりにもなりません。』
の部分。コレって皮肉か何か?「女が」大学出たところで思考力なんか知れてるってこと??「当時の」大学はレベルが低かったってこと??

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2026年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性を「産む機械」として扱うディストピア社会。
戦争があったかして世界が荒廃しそのような社会となったようだが語り手は直接説明はしない。時々、思い出したように断片的に提示される情報から読者が推測するしかない。

オブフレッド、という語り手の名のおぞましさ。本名を名乗ることは許されず、「フレッドの所有物」と名付けられる。さしずめ日本なら「一郎の」というところか。出産できる性は貴重なはずなのに逆に社会のリソースとして管理される。徹底的に人間性を排除されて。

中盤まではだらだらした締まりのない語りにイラつきながら読んでいた。出産のための「儀式」あたりからドラマとして盛り上がりを見せたように思う。このシーンはグロい。人工授精でいいだろと思うが宗教国家のためあのような形式になるようだ。

終盤で語り手が語るとおり、この物語はある意味で不道徳だ。彼女は夫と子がいる身でありながら他の男に恋愛感情を抱き、抱かれに通う。この展開は、悪夢のような管理社会であっても感情までは制御できないという人間性の肯定だと受け取った。人は時に道を踏み外しても、誰かを愛したり求めずにはいられない。たとえ破滅が待っていても。哀れで愚かだが、だからこそ血の通った人間味を感じる。

本編のあとの注釈によってこの物語がなぜオブフレッドの語りだったのかが明らかにされる。ギレアデが崩壊し、自然環境が改善されていることも。しかしこの注釈は希望ではない。性的なジョーク、地下女性鉄道を地下脆弱鉄道と揶揄する──女性軽視の精神は未来においても継続している。暗澹たる結末。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

設定からして面白くて、情報の出し方も、何もかもが「面白い!」と呟きながら読む。最後の最後まで、とにかく、面白くて、考えさせられる。素晴らしい。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キリスト教原理主義者によって設立された独裁国家「ギレアデ共和国」を舞台に、子供を産むことだけを強いられる女性「侍女」の過酷な運命を描いたディストピア小説。
希望(現実)と絶望(過去)の狭間で苦悶する心理描写が凄まじかった。特に、p.100のなんでもないホテルの一室を懐かしむシーンや、p.141「わたしは西洋梨の形をした中心物のまわりに凝結した雲にすぎない」という一文は、読んでいてとても辛かった。
自由が奪われても、愛があれば生きていける。でも、自由も愛も奪われてしまったら、なんのために人間は生きるのか。
100年以上後に学会で議論しているラストだが、この物語が後世に残ったということは、オブフレッドはギレアデ共和国から逃げ延びたのだと信じたい。

女性作家にしか描けない世界観と心理描写が圧巻だった。まだまだ男の自分は女性の全てを理解できてないし、これから努力しても完璧には理解することはできないだろうけど、リスペクトを忘れてはいけないと感じた。
まずは、現在妊娠中の妻に、日々の生活の中で最大限の尊敬と感謝を伝えたいと思った。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ディストピアだが、近いうちに現実に起こり得ないとも思えない。
前半は世界観の説明が多く、かなり単調で読むのに時間がかかったが、後半に物語が動き出した!と感じてからはサクサク読めた。

日本では少子化が問題と考えられているが、(あえて「考えられている」という。)少子化対策が極まればこういうことになるのではないかと思ってしまう。

女性の自由を奪うために、仕事と金をまず奪うというのは恐ろしい。
やろうと思えば簡単にできてしまいそうで。
そして、仕事と金を奪われた彼女に対し、ルークが支配的な、安堵のようなものを感じているように思われて恐ろしい。
簡単に、守られるべきもの、裏を返せば支配を受け入れざるを得ないものとされてしまう。

しかし、人口を増やすための仕組みとしてはあまりに合理的だ。
男が原因の不妊は存在しないとしていることを除けば。

この世界で救われることといえば、レイプをしたものが即ボコボコにされることくらいだ。
母体保護が重要という一貫性がある。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性の性がテーマと聞いて、前から気になっていた。実際読んでみたら、怖い世界だった。色々と統制されて自由がないのはもちろん、体制に歯向かうと死が待ってる。そんな中で、監視の目に怯えながら、産むためだけに日々の生活を送る姿がグロテスクで、なかなか読み進めるのがしんどかった。この物語の主人公の女性が行き着く先がすごく気になるけど、物語の焦点はそこではないのだろう。最後の後世からの視点の分析を読んだとき、ここまで追いかけてきた1人の女性の悩みや苦しみが歴史から見れば「情報」であり、「研究の対象」であることになんだかぞっとしてしまった。
ディストピア小説、という言葉で括られる小説みたいだけど、私は主人公の女性に感情移入してしまったので、こんな世界で生きることの苦難が重く心にのしかかった。
心に残る話だけど重すぎてしんどい。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

設定の細かさや独特な設定の面白さから、どうなるかワクワクして読み始めました。どう脱出するのだろう?どう覆るのだろう?と。
思った方向には話は進まずに少し物足りなさを感じました。

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2026年04月18日

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