【感想・ネタバレ】定本 夜戦と永遠 下 フーコ・ラカン・ルジャンドルのレビュー

あらすじ

息を飲む程の明快さと、余すところのない学問的な厳密さが、奇蹟のように手を取り合って進む。“アントロポス”の永劫の生と、抵抗する「犬」の戦いの轟きが、惨めな現状追認と停滞を痛撃する。俊傑・佐々木中の第一作にして哲学的マニフェスト、新論考を付した完全版。ミシェル・フーコーの厳密な批判的読解から不意に現れ出る、その「蜂起の魂」とは何か。絶えざる「真理への勇気」の驚嘆すべき新生。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻のまとめならぬまとめのようなもの

3、フーコー
<権力>
権力:常にそこにある。法とは違う。権力は社会全体に浸透している。権力の外にあって、権力を全般的に操作し統括しうる者などいない。
一方に支配者がいて、もう一方に非支配者がいるという単純なものではない。支配は多層的。権力があるところには常に抵抗がある。

<監獄の誕生>
規律:法と異なる。かつて犯罪者は公共の場で残酷な方法で殺されていた。近代の犯罪者は、監獄で規律訓練を受ける。規律は人々に「主体的」に正しく生きることを求める。同調圧力である。規律権力は規格を作る。平均からのかい離で、人間全体が分類される。

<生権力>
生:調整され、管理されるもの。
ネオリベラリズム;監視と競争を強化する。
哲学:真理に到達しようとする行為。
霊性:真理に到達しようとする過程で自己を変容させること。自己への配慮。

自己への配慮は普遍性の同調圧力に対する抵抗にはならない。完全な自己統治性は維持できない。必ず他者が介在する。自己への配慮は、排他的な教団につながる。ギリシアの美徳は、キリスト教の地下教団に流入した。

自己への配慮よりも、同調圧力からの疎隔が重要である。

<ドゥルーズ>
コード化されない脱コード化を推奨。
コード化:意味が固定すること。
ドゥルーズとガタリは、資本主義は終わると考えたが、終わらなかった。「アンチオイディプス」は否定され、「千のプラトー」に続く。

<ドゥルーズが読んだフーコー>
言表可能なもの:刑法。
可視的なもの:監獄。
言表可能なものと可視的なものの間には、裂け目がある。

言表:可視性と結びつく前の言葉。
もの:見ることによってのみ存在する。

ダイアグラム:言表とものを結びつけるもの。
ダイアグラムは強制的に、暴力的に言表とものを結びつける。
しかし我々は、新しいダイアグラムを創造することができる!

永遠の夜戦。無限の案出のダンス。別の生への変化の希求。

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2013年06月04日

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