あらすじ
アメリカ人は、なぜ「進化論」を否定し、「核兵器」を賞賛するのか。「真珠湾」と「9・11」はいかに語られるのか。どうして辺境に巨大な「成金美術館」が作られ、首都に凶悪犯が集う「犯罪博物館」が作られたのか。八つの奇妙なミュージアムを東大教授が徹底調査、超大国の複雑な葛藤を浮き彫りにする。異色のアメリカ論。※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
●本書は、アメリカにある8つの博物館に焦点を当てて、アメリカの社会・文化・思想等について考察している。アメリカを知る上で博物館を取り上げる試みは新鮮で面白かった。
●とりわけ「第一章 進化論を「科学的に」否定する」は興味深かかった。
Posted by ブクログ
アメリカと言う国は,「差」が激しい。飛び級で大学や 大学院に進学する人もいれば、その逆もいる。人間は神が作ったもので進化論なんてとんでも学説だとして創造論を信じている人たち。マリファナを合法化している州。ピザをトマトが入っているからとして野菜扱いすると「詭弁」でお茶を濁した議員。まさに「極端のワンダーランド」、アメリカ。
そんなアメリカをミュージアムと言う一つの施設から見た姿を描いたのが今回の本。著者も述べているがアメリカとは何とかであるとひとくくりに出来ないとある。創造論に関するミュージアム、9・11メモリアル、原子力実験ミュージアム、日系アメリカ人ミュージアムなど8つのミュージアムを例に挙げてそこから見えてくるアメリカについて論じている。
シリコンバレーでITの先端企業があれば、ニューヨークで金融工学を駆使して突き進んだ結果リーマンショックを起こして世界経済に打撃をもたらしたウォール街だけがアメリカではない。50州もあればいろいろな姿が垣間見えてくる。そんな怪人50面相のアメリカを少しは理解できるかな。