あらすじ
日本漫画界が誇る魔神、丸尾末広、キャリア最大の長篇作、世界待望の第4巻。戦争、そして日本に落とされた新型爆弾による悲劇…激動の時代を、トミノとカタンは生きる。渾身のロマネスク復讐譚、堂々の完結。
...続きを読む感情タグBEST3
丸尾末広の歴史に残る傑作!
少女椿と同等いやそれ以上の名作になる傑作。
丸尾にしてはソフトな表現の中にも哀しくも美しい
物語が溢れいる。こんな漫画を描ける日本人がいる事を
誇りに思う。ページをめくるごとに凝視してしまう
美しい絵、もはや芸術ですね。
丸尾の作品はほぼ全部持ってますが、今後の新作も楽しみで
仕方無い。
Posted by ブクログ
つげ義春の目玉の看板だらけの町、が戦争で荒廃していく……丸尾先生にしか作れないマッシュアップ。
悲劇に翻弄されるのは相変わらずだが、しかし悪人は悪人らしく。
そして清く生きようとしたものにはそれなりの。
意外にヒューマニスティックでびっくりした。
長崎での戦争といえば……。
Posted by ブクログ
物心がつく前に母の親類に預けられた二卵性双生児は、
浅草の見世物小屋に売り飛ばされたが、
そこに集まっていたのは疎外された優しい人たちで、
束の間、安らぎを覚えたものの、
悪意ある大人の目論見によって引き裂かれ……。
トミノはカルト教団の巫女として祭り上げられたエリーゼの
付き人にされ、
カタンは孤島で身体改造を施されそうになったが、辛くも脱出。
一方、双子の母である元女優・歌川唄子こと松田昌江は、
見世物小屋を焼け出された一同を引き取って、
郊外で平凡な暮らしを始めた。
トミノとカタンがそこに合流できれば
ハッピーエンド、だったのだが――。
地獄巡りの果ては空襲。
犠牲になるのは、いつも無垢で非力な者たち。
何しろ“あの”丸尾先生の作品なので(笑)
どんなヒドイ結末になるのかとハラハラしていたが、
予想外にヒューマニズムに溢れていて感動した。
昌江ママが時間の経過と共に
穏やかで柔らかい顔つきになっていったのが一層、
悲しみを際立たせる。