あらすじ
上司をぶん殴って一流商社を辞めた、元OLの吉原陶子。いきなり目覚めた 「ある能力」 に相変わらず振り回されながらもバイク便会社・ユーザービスの風変わりな同僚たちとともに、手渡しで荷物を運ぶ 「ハンドキャリー便」 担当として騒がしい日々を送っていた。自転車メッセンジャー便担当の天然新人が加入したり、社長がスリ被害に遭ったり、過去に一件だけ起こった 「配送事故」 問題が再浮上してきたりと、事件が絶えない中……陶子自身にまさかの引き抜き話が降って湧き、大きな岐路に立たされることに―― !? 荷物を巡って東奔西走! 異色のワーキングコメディ。
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Posted by ブクログ
まさか続き物だったとは…。
というわけで前作「特急便ガール!!」が面白かったので読んでみた。
想いの強い荷物を持つと本人の意思とは無関係に本当に届けるべき場所に瞬間移動してしまう主人公。片道しか飛べないのも相変わらず。
展開はあまり予想を外れないけど好き。
最後の配送リレーはよかった。
陶子のあの選択は。自分を見誤られると頭にくるよなぁと共感した。
内容とは関係ないけど「半眼」という単語を使いすぎだと思う。
Posted by ブクログ
続刊が出てくれてとても嬉しい作品。
大手商社勤務のOLから一転、バイク便会社のライダーになったトーコさんが東奔西走したり四苦八苦したりするお話。
今回はお馴染のメンツに加え、自転車便ライダーとして新たに従業員が増えたり、社内のドタバタ(?)がメインです。
創業者の影がちらつく会社の状況が段々顕著に見えてくるようになったり、陶子の意外な弱点も発覚したり――。
そして今回も、最後の最後で繰り広げられる手に汗握る展開。
イベントで道路事情の一変した東京で、最短時間で荷物を届けるために、ユーサービス従業員総出で荷物をリレーします。
普段はおちゃらけたり漫才かましていることの多いメンツが、一分一秒を争って真剣に仕事を果たそうとするそのギャップに感動するやらきゅん(?)とするやら。
そして、一旦はユーサービスと距離を置く陶子も、自然とユーサービスの仕事の姿勢を自分の基準にしていて、なにかのきっかけですぐそっちの仕事の方を考えてしまっているのが良いなぁ、と思いました。本当に心から思っていなければできないことです。
『「ここが自分の居場所!」と言える仕事』などと言うと、「仕事人間」とか悪い方向にも思われがちですが、一緒に本気でなにかを成し遂げられる仕事・職場というのは大切なのではないかと感じました。
そして、くっついてから一旦離れてみなければ、自分にとってなにが本当に大切なのか、共感しているのか、という深層部分までは分からないのでしょう。
仕事について、存外深く考えさせられる結末でした。
そこに持って行くまでの伏線といい、毎度この作家さんの文章は鮮やかで面白い。
今回も綺麗に一冊完結のまとめ方でしたが、これは続刊を期待せざるを得ない。
Posted by ブクログ
楽しみにしていた続刊!
まず新人(昔飼っていた犬に似ている感じの自称イケメン)が登場して、配送事故について知りました。っで、その配送事故が「ユーサービス」の過去とこれからに深くかかわっていて……。
単純だけど、だからこそ共感しやすいのか(いや、別に共感はしなかったけど)とにかく抵抗なく読めました。ユーサービスのスタッフは社長もライダーもみんな臆病で不器用で時々愛おしくなります。総じて「馬鹿じゃないの?」と思うこともありますが、等身大にがんばっている姿が描かれているのがこのお話の魅力だと思います。
でもまだまだ上を目指すなら、さすがに会社の理念ぐらい明文化しておいた方が良いと思います。
言わなくても分かって欲しいという乙女心を男の人は意味が分からないと言いますが、言った方が良いことまで言わないオトメンな心は多分女には理解できません。分かりあえていることを大声で言えるのが、格好良いと思います!! ←個人的な意見
さっ、この巻で「特急便ガールは」なんとなくまとまったけど終わりになちゃうのかな? すっきり終われたから良いかと思う反面、やっぱり好きだからまだ読みたいとも思ってしまう可嵐なのでした。