あらすじ
表情を少しあらためて家康は言った。「憚りながら、徳川家には、いざとなれば、水火を厭わぬ五百ほどの勇士がおります。これが、わが家の宝といえば宝かと……」秀吉の表情は曇った――終生、豊臣秀吉が羨んだ徳川家康の家臣団。その筆頭ともいえるのが「徳川四天王」である。家康に采配を教えた酒井忠次、武勇で戦局を一変させた本多忠勝と榊原康政、そして、赤備えを率いた井伊直政……。本書は、そんな名臣たちの知略と武勇のほどを、新解釈を交えて活写した力作長編である。はたして四天王は、今川家に翻弄された草創期、強敵・武田家との死闘、信長・秀吉政権下の苦境、そして天下分け目の関ヶ原に至るまで、いかに家康を支えたのか……。
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Posted by ブクログ
酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政、徳川家康を支えた四天王の物語。家康がまだ若く領国経営も不安定であり戦国時代なら主君に取って代わってもおかしくない状況の中忠次は家康を守り立てる。忠勝は家康の危機に常に最善の行動をとり直政からも一目置かれる。康政は冷静沈着で秀忠が関ヶ原に遅参し家康から面会を許されないなか父親、徳川家としてその態度は許されるかもしれないが天下人の立場で秀忠を許さないのは世間の人々が憶測をよび世情が不安定になると諫言する。直政は家康に仕え始める年代や出自も違い三人とは状況が異なる。忠次、忠勝、康政は家康を護り徳川家を守り立てる行動するが直政は徳川家と言う枠の中でどう自分の力を発揮するかに重きを置いている印象。猪突猛進で付け家老の木俣守勝に軍の統率を任せきりにして常に先陣を切りたがる。個々の個性が良く表現されており4人を通して徳川家康を知る良い小説。
Posted by ブクログ
徳川家康が天下を取るまでの一生を、仕えた家臣たちに注目しながら綴った時代小説。
てっきり徳川四天王は全員同年代かと思っていましたが、意外とばらつきがあるんですね。
当時の武将たちがどのような思いで戦っていたのかが伝わってくるようでした。
でも時代小説初心者には少しハードルが高かったかなあ。
ドラマ等と合わせて読むともっとすんなり入ってきたかもしれませんね。