【感想・ネタバレ】「退化」の進化学 ヒトにのこる進化の足跡のレビュー

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Posted by ブクログ

人類の退化器官を手掛かりとして、生命の誕生から現在に至るまでの進化の道を解説した本。

「退化」は形態的な特徴などから進化の逆と捉えられる傾向にありますが、実は環境に上手く適応するために生物がとった「進化」の一部であることを本書は教えてくれます。特に印象的だったのは、人類の体毛の退化のお話でした。人類の体毛の退化理由として、サバンナ説、ネオテニー説、水生説と複数の説が提唱されていて、未だに明らかとなっていないことに驚きました。この謎の解明は、人類進化の歴史を紐解く重要なテーマの一つであると感じました。

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2022年01月04日

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 前、マンガ『ブラック・ジャック』の中で、胎児が怪しいからちょっと妊婦さんのお腹を開いてみると、卵の殻で胎児がへその緒以外をくるまれてた、と言ふのがあったが、
 あれはお医者さんでもあった手塚大先生の、科学的リテラシーに基づいた、あー、この本によれば、あの、子宮は、ものすごく大昔さう言ふ器官だったと。嫌。

 他、遺体(享年きゅうじゅううん歳!!)を解剖してたらすごい大隔世遺伝による形質が!!とか、乳房の形成など、大変面白い物を出しながら、魚から人へ進化するにあたり何がなくなっていったかが書かれる。
 象さんの金玉(無いけど)に関してほしかった情報があったので買った。

 解剖の先生で、人をさばいて
「盲腸がない」
 と言ってる学生へ、何とか言はず(盲腸そのものはわかりやすいらしいのだが)
「もう、ちょうがないなぁ」
 とか言って盲腸をくりっとやって、目当てである虫垂を出してくれる人は、師匠としていいと思ふ。

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2019年02月22日

Posted by ブクログ

猛犬注意、と言えば何処かで通じるかもしれない。

ツチ骨とキヌタ骨が顎の骨からきていたというのは、鰓弓を考えれば当たり前かもしれないがちょっと目から鱗だった。

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2013年04月17日

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ネタバレ

 非常に興味深い内容だった。

進化の反対が退化ではなく、進化は退化とともに起こる。

猿と人間は同じ先祖から進化し、一般には人間は猿が進化したものと考えられているが、機能的に見ると人間より猿の方が進化している部分がある。

人間の耳は魚類のえらが進化したもので、耳管はかつて口から飲み込んだ水の噴水穴へ排水路だったなど

胎児が生物の進化の過程を経て人類の形態となることは知っていたが、その痕跡がこれほどまで残っているとは、また誕生後も成長とともの骨や臓器が進化(退化)していたのは驚きであり、これが人間の年齢を特定する手がかりになるというのも興味深かった。

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2014年12月10日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
サメの顎が退化した耳小骨、トカゲの眼のなごりの松果体、舌にのこる「二枚舌」の痕跡、男にもある「子宮」、サメ肌から生まれた歯など、祖先とは機能を変えたり、失ったりした器官をみれば、ヒトの進化の道をたどることができる。

[ 目次 ]
第1章 「退化」の進化学
第2章 上陸して―四億年前か
第3章 哺乳類から―二億年前から
第4章 サルとなって―七〇〇〇万年前から
第5章 類人猿より―三〇〇〇万年前から
第6章 木からおりて―七〇〇万年前から
第7章 ヒトになる―二五〇万年前から
第8章 男と女のはざま―誕生前から
終章 まとめにかえて

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年05月22日

Posted by ブクログ

 「退化器官」を材料に、進化の歴史を覗いていく一冊です。印象に残っているのは、胎児の時点では原始的な顎の骨が残っていることですね。われわれの個体発生の過程は、すなわち進化の歴史であるということを思い知らされる事実でした。

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2009年10月04日

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種の数を増やすようなDNAの変異が進化であり、退化であるはず。したがって、そもそも進化と退化は区別できないはず。この本はこのような主張がバックボーンにあると思われる。つまり、使われなくなった機能は失われていくのであるが、その機能視点で見るとこの変異は退化。しかし、必要性のない機能をなくしてシンプルさを維持したり、エネルギー効率を良くしたりすることは進化。そういう事例がたくさん出ていて面白いが、「耳が動く」ことや、「親知らずが4 本生える」ことは旧人類であることを示しているたしい。この二つの特徴を持つ私って。。。

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2018年10月23日

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