あらすじ
枯山水を望む老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首吊り死体が見つかった。京都府警五条署の片岡真子(まこ)は、遺体の首筋に不可解な扼殺痕(やくさつこん)があると知り捜査を始める。遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子はある“時限(タイムリミット)”に挑まなければならなかった。女性刑事の情熱に絆(ほだ)されるカウントダウン・サスペンス!
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Posted by ブクログ
直前に読んだ「白砂」に近い内容ですが、主役の若手女性刑事と上司の警部のやり取りがシリアスなので、比較的重い雰囲気が全般的に流れているように思います。
事件の構造は本作のほうが幾分か複雑で、ミステリとしてはこちらのほうが面白いです。特にタイトルの「時限」要素が明確に関連してくる中盤以降はとてもスリリング。クライマックスの絶望感と、そこからの逆転劇は(少し都合よくも感じられましたが)見事だと思いました。
しかし「白砂」と同じく、被害者の境遇がわびしすぎて泣けてきます。山本妹にも同情しますが、それ以上に夏山千紘の人生が本当にいいとこなしにしか思えなくて、なぜかこっちまで落ち込んできます。
“イヤミス”というわけではないのですが、妙に凹むミステリな印象でした。
Posted by ブクログ
冒頭から、東男と京女のやりとりが興味を惹く。片岡真子という女性刑事のキャラクターが面白い。
ストーリーは二転三転するので、途中で何がメインの話なのかちょっと混乱してしまう。
山本という男性の行動がやや納得しづらいか。
「生きている意味を問う前に、生きていることがすでに意味を持っている」というセリフにぐっとくるけど、物語の中ではちょっと違う意味合いで使われているようにも思う。
「生命の謎」というよりも、男性心理の闇、と言ったほうがいいような気もする。