あらすじ
二・二六事件の熱さめやらぬ昭和十一年五月、議会での「粛軍演説」で喝采を浴びた民政党議員・斎藤隆夫は、四年後に「支那事変処理」についての質問演説を問題視され除名処分を受けた。陸軍を中心とする「革新」派が台頭する中、「現状維持」を訴えてやまなかった保守政治家の自伝。〈解説〉伊藤 隆
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
[一徹]二・二六事件後の「粛軍演説」で、一躍時の人となった斎藤隆夫の自伝。無一文に近い状況で上京し議員として活躍するも、支那事変に関する演説で除名処分に。その後,いわゆる翼賛選挙を戦い抜き,改めて議席を獲得した氏の政治信条や姿勢が伺える作品です。解説は日本近現代史の専門家である伊藤隆。
高校の日本史では「粛軍演説を行った人」という文脈でのみもっぱら取り上げられることの多い斎藤隆夫ですが、その保守性や議会中心主義の考え方、また,政治家とはどうあるべきかというところまで本書から読み取ることができ、自分にとっては新たな斎藤隆夫を「発見」することになった読書でした。
〜およそ事を行うに当っては、正しき道を追うて一直線に進むべし、左顧右眄して逡巡躊躇するは事を誤るの本である。〜
有名な演説そのものも付録として収録されています☆5つ