あらすじ
ふだん接客業務についている人なら、小さなクレームには毎日のように遭遇しているのではないでしょうか。クレーマーレベルではない、小さなクレームでも、対応を少し間違えると、とてもややこしいことになるケースがあります。そうしたクレーム事例を挙げながら、どのように対応すべきなのかを丁寧に教えるのが本書。クレームに正しく対応すれば、逆にお店や会社の評価を上げることさえできます。
対応の基本は「クッション言葉」と「配慮の言葉」、そして「お客様のため」をベースに「前向きなプラス感情にもっていく」こと。この考え方を押さえて、最初の対応の仕方、配慮の言葉の入れ方、まとめ方を身につければ、あらゆる場面で使える対応法が身につきます。
こまかく項目を分けて、手短にテンポよく解説しているので、マニュアル的に読めて、すいすい身につきます。
接客にたずさわる、すべての人に読んでもらいたい、とても使える役立つ一冊です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クレーム対応の極意は、お客様の感情を理解することと誠意をもって対応することだと思いますが、それに加えて、「クレーム対応の話法(あるいは語彙)」を身に付けることも重要と思います。
私が魔法の言葉と思うのは、本書にもでてきますが、「恐れ入ります」と「差支えなければ」です。
「恐れ入ります」は多分、最強です。相手が怒りの感情に流されて怒鳴っているときに、まずは、「恐れ入ります」と受け止めることができます。しかも、「申し訳ありません」ではこちらの非を認めたと受け取られる危険があるのですが、「恐れ入ります」にはそれがありません。
「差支えなければ」は会社の友人から教わった言葉で、ちょっと質問しにくいことを聞くときに使えます。「差支えなければ、その時の状況をご説明いただけますでしょうか?」といった感じです。「その時の状況をご説明いただけますでしょうか?」だけだと、「なんで俺様がお前なんかに!」という感情が湧いてきますが、それを差支えがあるかないかに軸を移すということで、ぐっと回答をいただける確率が上がると思います。
★★★
本書には、他にも、なるほどという応対が見開きで分かりやすく説明されていました。
たとえば、クレーム対応の終わりの方で、「こういったことはよくあるの?」と詰問されることあがりますよね。そんな場面で、「まぁ、ないこともないのですが」なんて応えているようでは、クレームが再炎上してしまいます。そうではなく、次のようにと答えると良いとかいてあります。
> 大変申し訳ございませんでした。
> あってはならないことですが、事実あったわけでございまして、返す言葉もございません。
> 今後はこういうことのないよう……
もう、「あってはならないことですが、事実あったわけでございまして、返す言葉もございません。」というフレーズを考えた人、天才だよなぁと思いました。
なかには、43ページのようにちょっとこの応対は、、、というのも無いわけではないですが、全体としてとても参考になる良い本でした。