あらすじ
〈兄妹五人あって、みんなロマンスが好きだった〉。退屈になると家族が集まり、“物語”の連作を始めるのが習わしという風変わりな一家、入江家。兄妹の個性的なキャラクターと、順々に語られる物語世界とが重層的に響きあうユニークな家族小説「愛と美について」ほか、「ろまん燈籠」「秋風記」など、バラエティに富んだ秀作七編を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
表題作の『ろまん燈籠』は私が偏愛しすぎている小説です。
その気になれば一気読みもできる長さ……なのですが。
中盤に推しが出てくるので、私は一気読みできませんw
推しを見た後って謎に元気を持っていかれませんか?
それでその推しと言うのは、金持ち一家に仕えている女中の子で、超ピュアで超真剣で超真っすぐなところがめちゃくちゃ愛おしくて、庇護欲をかき立てられて、心から彼女を可愛いと思っているんです。仕様のないほど好きなんです。
もう本当幸せになってくれ。
次男くんの顔ファンっぽい? が、勇気出してものすごいことを言う。それをスルーされると照れ隠しに笑う。このことをひとりになって悲しもうとしたが……。
この流れ、短い場面に人間の機微のみずみずしさを詰めすぎている(褒めている)
普段こういう表現あんまり使わないですけど、さとちゃん(女中の子の名前)、私と結婚してくれ。
最初読んだときも、今も思ってます。
もしくは彼女と次男くんが結婚してくれ。ええやんけ身分差。
ほんとにさぁ、この子は短い出番で魅力を残しすぎじゃないですか。
私の商業小説における最推し。
推し語りが長くなりましたが、ここからは本編の話ですよ。
5人兄弟がおとぎ話を元にリレー小説を書く、温かくてクスッと笑える家族小説です。
次男パートに太宰治らしき人がチラッと出てくるの笑いました。口述式ならではの閑話休題感が面白い。
長兄の文章の硬さも特徴的だよね。長兄の性格がめちゃくちゃ現れてる感じも好き。
そしてラストいいよね! 作中作に描写されていることが伝わった!
さて。気になるのは、何故ラプンツェルと魔女が人食いなのかと言うこと。
しばらく前、何らかの昔話のグリム童話版が人食いの出る話だと聞いて、それがラプンツェルかと思ったけど、普通に違いました。『眠りの森の美女』でした。
調べた感じだとグリム童話の『ラプンツェル』には、彼女と同じ名前のラプンツェルという野菜が出てくるみたい。そこから変形して人食い設定になったのかなあ……?
とにかく、熱烈に愛した作品です。
(ほそく)女中という言葉が現代視点で見て適切な表現なのかどうかは調べても分かりかねたので、作品に出てくる呼称としてそのまま使ってます。