あらすじ
ベストセラー『格差社会』の著者が、貧富の格差に象徴される「結果の格差」ではなく、その差を生むことになるかもしれない「機会の格差」に焦点を合わせて、思想的・経済学的な理論背景を論ずる。すでに格差社会に突入した日本において、機会の不平等は社会のさまざまな分野において見られる。男性と女性の違い、世代間の違い、家族構成(結婚、子育て)、生まれ育つ地域……。問題なのは、これらの機会平等を追求すれば、費用が多額になって経済効率を疎外することがあり、必ずしも機会不平等が批判の対象とはならないことである。社会の公正不公正に関しては、心理学や倫理学の助けを借りてしっかり議論する必要がある。第一章「機会不均等と公正さ」、第二章「男女の機会不均等」、第三章「教育の機会不均等」、第四章「家族を持てない機会不均等」、第五章「世代間の機会不均等」、第六章「地域間の機会不均等」、第七章「その他の機会不均等」
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Posted by ブクログ
格差論で有名な橘木先生の新作。いろんな角度からの格差、不平等について学べる。薄いし、平易な言葉でわかりやすく書いてあるし、入門書としては最適。
Posted by ブクログ
10数年前に格差社会の到来について口火を切った橘木教授の近著です。機会均等・平等を何にも増して重要な目標とする価値判断に貫かれ、かずかずの機会不均等につき、データ解析に基づき、問題点を明らかにし、かつ、教授ご自身の見解、見方を述べる著書で大変勉強になりました。
Posted by ブクログ
機会不均等、なるほどなと思います。確かにそう思わされる機会は多いです。
データが豊富で興味深い項目が多々ありました。
ただ、その不均等をどう解消すべきか、という著者の意見や見解については個人的には賛同できないものや反感をかんじるもの、他国はともあれ日本には馴染まないのではと感じる箇所が散見されました。
その辺りは著者も了解済みの印象もありますが…。
更に言い募ってしまいますが、どなたかも書かれてたように、突っ込みが甘いと言うか、「論」というにはちょっとまとまってないのかなと、データに徹した方が良かったんではと感じました。
第1章が読みにくいです。
しかしこのようなことを考えるきっかけとしては良い本かもしれません。