あらすじ
「地震」「水害」「火山」「雷」「大風」……。『記紀』に描かれた数多の自然現象とその災害の実態とは? 「浦」「江」「潟」「岸」「潮」「浜」……。『万葉集』に謳われた風光明媚な景を現在と比較すると? 「古墳」「池」「溝」「津」「水門」、人為は景観をどう変えたのか? 空中写真、地形図、遺構・遺跡、史料を突き合わせ、失われた古代日本を大胆に復原する。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
原著はかなり古いものだそうだが、「ジオアーケオロジー」を日本で提唱した最初期の本であるようだ。
ジオアルケオロジーって、今は訳語ができているのかな?
第三章『記紀』『万葉集』に自然の景を読む を目当てに買った。
やはりそこが一番興味深く読めた。
「岸」という言葉は、満潮時に水をかぶるくらい低い土地を指していたという。
現在の「岸」のイメージとは随分違う。
住江の岸に寄る波よるさへや・・・の歌はもう少し後世のものだけれど、頭の中に浮かんでいた風景を修正しなければならないのかも。
あとは、冒頭の方にある、人間の土地利用は、土地の植生に決定的なダメージを与え、たとえ人間がその後その土地を放棄しても、元に戻ることはない、という話には、少々ショックを受けた。