【感想・ネタバレ】人類史のなかの定住革命のレビュー

あらすじ

霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。(講談社学術文庫)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

おそらく、分類がおかしいといわれそうだけれど。最後の言葉の意味の分類からだけでなく、どうも家族論に読めてしまう。

0
2016年12月12日

Posted by ブクログ

#2024年に読んだ本 37冊目
#6月に読んだ本 3冊目

なんか…歴史な本なんだけど
それより植物学なんかについての
知識が付く本だった

0
2024年07月02日

Posted by ブクログ

遊動生活こそ人間の真の生き方なのかもしれない。

「私達の祖先は言葉より先に武器を持った」とう説は圧巻であった。
つまり、猟をする上での棒や石が武器ともなり、しかしそれを隣人に使うのではないという説明をするための挨拶、弁明がその次に現れたとのこと。
私たちが現在日常で使う情報伝達の手段としての言語は、そのずっと後の社会が出来上がってからというのも驚きである。

0
2017年06月24日

Posted by ブクログ

「人類史のなかの定住革命」読。

人類が何百万年も遊動生活していた理由の一つとして、グループ内での不和や緊張関係の解消の意味もあったという説は、なるほどと思った。
そして定住が始まって以来、現代の人類の緊張関係は解消される兆しすらないというのも、そのとおりだと思った。

定住が始まった理由として、気候変動などを上げているが、そのへんは頭に入らなかった。

最後の方で「安全保障の言語」 「仕事をする言語」というものを持ち出して、
「安全保障の言語」は天気の話や、近況報告、今度呑みに行こうなどの社交辞令でこれはどの民族も一緒で、猿が無駄に長時間毛づくろいしたりするのと同じことで、これを拒否することは、人間関係において緊張を持続させてしまう。

「仕事をする言語」は現代なら会社での今月の売上が下がったとか、家庭での子供の学校の成績の話などとしている。
これは昔、狩りのときのチームワークのための言葉が発達したものだろうという。

現代日本社会ではこの「仕事をする言語」が溢れかえっていて、最後に金属バット殺人事件の話を持ち出して、事件が起きた家庭では「仕事をする言語」しか使われず、常に緊張を強いられたのではないかと言う。

少し強引な気もするけど、数百万年続いた遊動生活と、現代日本の核家族の仕事に追われる生活は確かに違う。
数百万年続いた遊動生活が人類の本来の姿で、1万年前に始まった定住革命はいまだに続いているというのは、ああそうだなと思った。

0
2019年12月04日

Posted by ブクログ

定住によって装身具や土偶、文様などに能力を使うようになった。
農耕社会の特徴は、実は定住社会の特徴だった。
栽培は定住生活の結果であって、原因ではない。初期は漁業生活ではないか。漁獲高は狩猟に比べて安定的で豊富。
薪として木を借ることで、栗、クルミ、小麦、大麦が群生してきた。

広葉樹林を薪として利用すると、アカマツ二次林へと変化する。クリ、クルミ、ワラビ、フキ、ウド、ミツバ、タラノキなどの陽性植物は二次林に好んで生える。

水産資源の活用で定住集落が出現し、栽培化が進行した。その後水産資源が得られない場所で農耕化が促進された。

家族を形成することは、道具を持ち歩く人類が安全を保障するために支払った代償である。食料が分配され交換された社会が成立した。

0
2019年08月08日

Posted by ブクログ

 簡単に言うと、人類発祥時点からの割合で考えると、狩猟などの遊牧している期間のほうが長く、稲作などによる定住というのは革命的な出来事なんですよ、という本。タイトルまんまです。
 遊牧っていいよね!となるけれど、実際問題、これだけ人口が増えると、狩猟でまかなえる訳もなく、うん。そこが切ないな。

 そして類人猿や人類の先祖にまで話が行き、今の社会まで手が伸びるんだけど……だんだんノリになってません? となる。読み物としては面白い。

0
2014年06月18日

Posted by ブクログ

人類の歴史に置いて長く続いた遊動生活が有益なものと考える立場から、それが破たんしたために定住を始めたという発想の転換がおもしろい。農耕を行わずに定住する社会の多くが魚類資源に依存した生活を行っており、定置的な漁具を発達させている。魚類資源は陸上動物よりも生産量が大きく、年間を通した漁獲が期待できる。定置漁具は必要な労力が少なく、魚類の危険性も少ない。水産資源の利用が定住生活の出現に重要な役割を果たした。

・ヨーロッパでは、後氷期の森林拡大とともに遺跡が海岸部に集中する。
・氷期が終わり、中緯度地帯に森林が拡大し始めると、ユーラシア大陸の各地に定住集落が現れ、魚類資源の利用、ナッツの利用、食糧の大量貯蔵を伴っている。
・西アジアの地中海沿岸部で水産資源と野生穀物の利用が出現した後、内陸部で最初の農耕集落が出現する。

・5世紀中頃、大阪の泉北丘陵一帯で日本で最初の大規模な焼き物生産が始まった。

0
2018年10月31日

Posted by ブクログ

「不快なものには近寄らない、危険であれば逃げていく。この単純極まる行動原理こそ、高い移動能力を発達させてきた動物の生きる基本戦略である」

「遊動生活とは、ゴミ、排泄物、不破、不安、不快、欠乏、病、寄生虫、退屈など悪しき者の一切から逃れさり、それらの蓄積を防ぐ生活のシステムである。移動する生活は、運搬能力以上のものを持つことが許されない。僅かな基本的な道具のほかは、住居も家具も、様々な道具も、移動の時に捨てられ、いわゆる富の蓄積とは無縁である。」

「一方、定住生活とは、これら一切を自らの世界に抱える生活システムである。この生活を維持するには、ゴミ捨て場を定め、便所を作るなどして環境汚染を防止しなければならない。フワや葛藤、不安の蓄積を防ぎ、すみやかに解消するために社会規範や権威が要求され、、、」

0
2011年12月07日

「雑学・エンタメ」ランキング