【感想・ネタバレ】長閑の庭(1)のレビュー

ドイツ文学専攻で大学院の修士課程に通う主人公は、地味な見た目と性格から、ドイツ語で“黒い”を表す形容詞shwarzに“さん”づけで「シュバルツさん」と呼ばれている。そんな彼女は、自分の論文を読んで「君の日本語は美しい」と言ってくれたドイツ文学教授に憧れているのだが、彼は64歳。ふとしたきっかけから教授に好意を打ち明けると、「君のそれは恋ではない」と否定され、主人公は考え込んでしまう…。
若いときは若いときで、そして年を取ったら取ったで、「自分が人からどう見られているか」ということに右往左往させられてしまう、ということはありますよね。私に好意を向けてくれているこの人が何だかステキに見えてきたとか、子どものときからしっかりしていると言われてきたのでしっかりしていなければならないと思っていたとか、本当はスポーティな服が好きなのに背が低いからやめておこうとか、自分の思考でさえ、他人の影響を受けないことは難しいと思うのです。
この作品では、若い主人公だけでなく、人生をとっくに折り返したはずの教授も、登場人物がみんな試行錯誤しています。何が恋で何が恋じゃないのかを知りたい人だけでなく、「私」って何だろう?と考えたり悩んだり拗らせたりしたことがある人にぜひ読んでもらいたい作品です。

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朝比奈さんの心情が痛いほど伝わってきます。彼女に想いを伝えられた教授。君のそれは恋では無いと大人な対応をしていたけど。内心はドキッとしていたのでは?

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2024年06月13日

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好きの定義

主人公の朝比奈元子(あさひなもとこ)はドイツ語専攻の大学院生。
メルヘンなものが好きだが、小さい頃から大人びたしっかり者として見られていたため、かわいいものを身に着ける勇気がわかず、無難に黒いものを身に着けていたため、周りからドイツ語で黒を意味するシュバイツさんという不本意なあだ名をつけられる。

そんな彼女は、担当教授の榊から「君の日本語は美しい」と言われ彼に恋心を抱いてしまう。
はずみで告白してしまったが榊は師弟愛を恋愛と勘違いしているだけだと彼女の好意を否定する。
思えば祖父に育てられた元子はその思いが『嗜好』ではないかと思うがそれでも気持ちは抑えられない。
榊もまた元子に対して何らかの好意を抱いていることから、彼女に対して「好きとその分類」についてドイツ語でレポートを与えた。

年上の落ち着いた男性は若い女性からみたらほんとにかっこいい。
そんな人から優しくされたら好きになってしまう。
ただその好きの種類はいっぱいあって恋愛だけとは限らない。
主人公の生い立ちなど複合的な様々な思いが絡まりあっているだけに結論は難しい。

#胸キュン #切ない #カッコいい

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2021年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋さんで気になって購入

年の差カップルって好き。
だが、
今まで好みガッツリな作品にあったことはない。
この作品も

そ~じゃ ないんだよなぁ… みたいな。


もしかして私は「カップル」よりも「コンビ」的なのが
好きなのかもしんないなぁ
と、思う今日この頃。
十二国記の珠晶と供麒みたいな感じは好き。

この作品も面白かったけど
「あ~ 違うなぁ」でした(笑)
残念。
まぁコレは個人的な好みの問題だけど。



作品としてはガツガツしてないノンビリほんわかとした流れは
良いのでは。

微妙にひっかかるのは
狙いなのかどうなのかわからないけど、
オンナノコの恋愛観はドリーム的で
ご老人の恋愛の捉え方は
リアルというか生々しさを感じるというか(エッチ方面の意味では無いです)
夢を夢見る、若く恋愛や精神面で未だ幼い女性と
経験年輪を経た大人の男性での考え方の違いとして
表現しているなら
たいしたモンだなぁ~!
しかし、どうなのかは分からない(笑)
私が勝手にそう思ってるだけかも。
この作家さんの作品、はじめて読んだから。

でも、それが、この表紙みたいなノスタルジックな美しい景色に
もの凄いリアルさを伴った異物感を、
酷く現実的な臭いを感じてしまって
私は読み辛かったな~

美しくしたいのか リアルにしたいのか
どっちなのかよく分からないっつ~感じ。
その違和感を楽しむべきなのか?

まぁそんな感じで継続して購入はいいかな?って
個人的な感想。
この後「おぉ~!」みたいな作品として見事な昇華をしたら
買い直そうと思います~

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2016年05月06日

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