【感想・ネタバレ】闇狩り師 蒼獣鬼のレビュー

あらすじ

弟を普通の人間にしていただきたいのです……鳴神真人(なるかみまこと)に害を為す者が事故にあうのは、自分たちが鳴神素十(そじゅう)の子であるから。姉の磯村小百合から聞かされた九十九乱蔵(つくもらんぞう)は、いざなみ流陰陽師の家元の血を引く素十と接触し、伝説の神霊能力者・戸田幽岳(とだゆうがく)とも相対する。四天降魔法とは? 変性女子とは? 過去の因縁で事態は複雑に絡み合い、凄絶な結末へ向かう。乱蔵は少年を救えるか!?

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Posted by ブクログ

「闇狩り師」(短編集2巻)、「崑崙の王」(長編)、本作と、時系列順に読んできた。書かれた時期は、「蒼獣鬼」の方が「崑崙の王」より先だが、九十九乱蔵がキマイラに登場している龍王院弘と出会うのが「崑崙の王」で、その後に「蒼獣鬼」の出来事が起きている。どちらを先に読もうが、乱蔵の物語にほとんど関係ないが、今回は並行して読んできたキマイラに合わせて再読した。
鳴神素十と戸田幽岳、どちらも人間を超越した陰陽師と神霊能力者。2人の対立の中で呪詛、憑依や生まれ変わりが行われ、そのことに利用されようとする素十の息子真人を乱蔵が救うストーリー。初版のときには《妄霊篇》《異神篇》 の2巻になっていたが、今回は1冊にまとめられている。
登場人物も多彩で、幽岳の下には、黒蠅、蟇子、餓虫、羅門と怪しい能力を持った4人。玄角、加座間典善も再登場し、敵味方入り乱れての闘いが繰り広げられる。相変わらずのエロスとバイオレンスに満ちた物語ではあるが、乱蔵の強さが長編で生かされており、夢枕獏ならではの描写に引き込まれた。陰陽師も好きだが、こちらも好みだ。
最近読んだキマイラには九十九三蔵の兄として乱蔵もサプライズの登場をしているが、まだまだ乱蔵の活躍の場は少ない。発売されているものでいちばん新しい「黄石公の犬」、現在連載中の「摩多羅神」で、闇狩り師の物語は終わりとなるのか。まだ見たい。

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2026年05月07日

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