【感想・ネタバレ】悪童日記のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ
戦時下のある国、厳しい環境下で生き残る双子の少年。
彼らの作文形式で綴られる物語。

・感想
日記調だけど書いてるのが普通じゃない倫理観の持ち主で、出てくる大人達もやばい奴しかいないから大体ヒキながら読んでた。
でもなんだかすごくクセになる文章と作風で面白かった、

あの子達は生来そういう気質なのか時代のせいなのか分からんけどすごく逞しい。
悪どくずる賢く生き抜く彼らはすごく魅力的だった。
3部作らしいから次も読みたい。
あの不思議な魅力のあるふたごたちが最後ああなってしまって、その先どうなるのかすごく気になる。

0
2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ 
狂気。毒。

過酷な戦中、終戦時
早熟で双子が感情抜きで
事実のみを語る形をとった
サバイバル日記

⚫︎あらすじ(本概要より転載)
ハンガリー生まれのアゴタ・クリストフは幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命している。生い立ちがヨーロッパ現代史そのものを体現している女性である。彼女の処女小説である本作品も、ひとまずは東欧の現代史に照らして読めるが、全体のテイストは歴史小説というよりはむしろエンターテインメント性の強い「寓話」に近い。
そもそもこの小説には人名や地名はおろか、固有名詞はいっさい登場しない。語り手は双子の兄弟「ぼくら」である。戦禍を逃れ、祖母に預けられた「ぼくら」は、孤立無援の状況の中で、生き抜くための術を一から習得し、独学で教育を身につけ、そして目に映った事実のみを「日記」に記していく。彼等の壮絶なサバイバル日記がこの小説なのである。肉親の死に直面しても動じることなく、時には殺人をも犯すこの兄弟はまさに怪物であるが、少年から「少年らしさ」の一切を削ぎ落とすことで、作者は極めて純度の高い人間性のエッセンスを抽出することに成功している。彼らの目を通して、余計な情報を極力排し、朴訥(ぼくとつ)な言葉で書かれた描写は、戦争のもたらす狂気の本質を強く露呈する。
凝りに凝ったスタイル、それでいて読みやすく、先の見えない展開、さらに奥底にはヨーロッパの歴史の重みをうかがわせる、と実に多彩な悦びを与えてくれる作品である。続編の『証拠』『第三の嘘』も本作に劣らない傑作である。(三木秀則)

⚫︎感想
非人道的な戦争、常に冷徹な双子の行動、主観を排除し、事実をあるがまま書くという体裁で書かれた二人の9歳から15歳までの間の日記。二人の完全なサイコパスぶりと、気持ちの揺れは全くかかれないせいで、感情のない人間二人が浮き彫りになり、余計に気味が悪い。
日記小説はたくさん書かれてきたであろうが、「悪童日記」は黒い光を放つ、唯一無二の小説であると思う。

最初に衝撃を受けるのは、母方の祖母の横暴、不潔、奸悪。だが、それを淡々と受け流し、必要なことを考え、間違いなく遂行する9歳の双子も怖い。そして、出てくる大人の性的搾取と簡潔な描写。圧倒される。

母と義妹の死を目前にしても淡々とし、父に至っては彼の命と引き換えに双子の片方は父を踏みつけた上、越境する。

読後、毒を喰らって心臓を掴まれた気持ちになるが、真唯一無二の存在感と小説内で語られる「主観抜きで書く日記」の設定の見事さに★5

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2023年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い双子兄弟から見た戦時下の生活。あまりにも劣悪な環境に吐き気を催しそうだった。しかし、これが戦争の実態なのだろう。人が獣以下になる、身の毛がよだつ地獄そのものだ。
兄弟は生きるために自分達を鬼のように鍛える。彼等にとって感情は意味がなく事実あるのみ。鉄のような精神でしたたかに生きる。彼らは果たして非道なのか。私にはそうとは思えない。続きが気になる。

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2023年03月13日

ネタバレ 購入済み

残酷な戦時中のなかを生き抜く冷酷な兄弟の物語。ずっと読んできたらそこまで衝撃的な結末ではないように感じた。でも一気に読むほど面白かった。

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2022年01月15日

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