【感想・ネタバレ】ぼくのスターのレビュー

あらすじ

ほとんど学校へ行かず、アイドルオタクに勤しむ侑史。そんな推しメン一色の日々に、芹沢航輝と名乗る同級生が踏み込んできた――曰く、高校生活最後の一年は楽しく過ごしたいのにまだ顔も知らないクラスメートがいると気づいてやってきた、らしい。明るくかっこよくて直向きな航輝に気圧されるようにして、怖々と足を踏み出した侑史だけど……?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一穂さんは思春期の焦燥を描くのがとても上手くて、あとがきを読んでいても「あの頃」の感情をとてもやわらかに優しく胸に留めているのかな、と思わされます。
在宅ドルオタで半引きこもりの侑史が強引な性格のクラスメイトに無理やり教室へと引き戻され…から始まる青春物語。
小さなつまづき(年頃の子には心を揺るがす大事件)に身動きを奪われていた男の子がキラッキラのまばゆい輝きを放つ男の子に手を引かれての成長物語という構造はハートの問題のヨウを思い出します。そういえばレーベルいっしょ。
すごく真っ当でよい青春ものでキラキラしてるがゆえに、この友情はいつ恋愛になり、セックスで結ばれたいとなったのか正直よくわからないや…。
とはいえ、「妹に囲まれている」シチュエーションでの初めての濡れ場がとてもよいのです…。

主人公たちふたりだけではなく、「ほたるん」の兄への葛藤、親友が煌びやかな世界へと羽ばたいていってからの変わらない親友たちの態度など、等身大に生きている子達みんなが優しくていとおしくなります。

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2017年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう話好き。
エロがちょっと物足りないけど、静かに惹かれ合っていく日常の描写がすごく素敵だった。読み終わった後にふんわりした気持ちになれる話はいい。

0
2013年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

半ひきこもりでアイドルオタの侑史の前に突然現れたクラスメートの航輝。話したことすらないのに勝手に部屋まで上がりこんで来たこのクラスメートは、クラス全員揃ってないとさみしいしみんなでちゃんと卒業したいーなんていう手前勝手な理論を展開して、あれよあれよと言う間に侑史を強引に外の世界へと引っ張り出してしまう。
国民的アイドル『ほたるん』だらけの侑史の部屋を見て『キモ』などと物事はっきり言ってのける航輝の口調には、でも、1ミリの悪意もない。単純に思ったことを言っただけ…風の正直さに侑史も不思議と腹が立たない。
訳もわからないまま毎日学校へ連れ出され、放課後も頻繁に部屋にやってくる航輝に侑史は困惑する。どうやらクラスでも目立った存在らしい航輝がどうして自分みたいなオタクにかまうのか、戸惑いながらも侑史は航輝の半ば強引な訪問を受け入れていく。
でも種明かしはすぐにされ、学業の傍ら駆け出しの俳優でもある航輝は次の役作りのため、ひきこもりである侑史を観察したいのだと言う。
理由がはっきりして安堵する侑史は、航輝のペースに引っ張られ、次第に航輝のいる世界に溶け込んでいく。
航輝の方でも、初めこそ興味本位だったことは否めないけれど、侑史の繊細なやさしさ、真っ直ぐさに安らぎを覚える。侑史はちゃんと自分をわかってくれる。
侑史の言葉には嘘がないから。その言葉はいつも誠実だから。口から紡ぎ出されるモノと心のうちとはいつもきっかり同質だから。
俳優てしての注目度が上がるにつれ、次第に騒がしくなる周囲。気の置けない幼なじみ達のあえての無関心も心地よいけれど、航輝はやっぱり侑史の言葉が聞きたいと思う。
冒頭では、こんなふたりが一体どうやってお互いに恋愛感情を抱くのだろ…と思っていたけれど、案外スルスルっと恋愛にシフトするまで違和感なく読まされてしまった感じ。恋愛スイッチはなんだったんだろうな、とふと思ったりする。ふたりが潜在的ゲイだったって言うならふんふんと納得なんだけど。お互いがお互いを認め合って惹かれ合ってるのはよくわかったんだけど、ノンケ同士が誰よりも大切な友達を踏み越えて、恋愛対象に至るまでのプロセスがうすらモヤモヤ~としたまま、うまいこと読まされちゃったな。
航輝が実は国民的アイドル『ほたるん』の実兄で、兄妹がお互いに抱いているコンプレックスみたいなモノとか、まだ駆け出しの兄の伸びしろが脅威なのだと、そんな兄に勝ち逃げしたいという妹の切実な心理とか、結構良かったな。
航輝の普通にかっこよくて、そのことに気負ってなくて、時に子供っぽく拗ねたりするとこかわいくて悪くなかった。
青々しいキラキラっとした話でした☆

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2013年12月30日

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