あらすじ
生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!
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Posted by ブクログ
横浜にバーを何軒も構える実業家、類まれな才能を持つ画家、そして無頼な生き方。主人公はあまりにも多くのものを持ちすぎている。そういう人間は、最初から破滅へと向かって歩いているのだと、読み終えてから思う。
地場の組織とのこじれ、恋人の不治の病、刺青の技術への静かな魅了。どれひとつ取っても物語になりそうな素材が、ひとりの男の上に積み重なっていく。一見すると無茶苦茶に見える。だが読み進めると、この積み重なりがじつによく練り込まれていることに気づく。雑然としているのではなく、意図して乱されている。
北方謙三の文体には固有のリズムがある。短く切れる文、乾いた体言止め、感傷を拒む語り口。そのリズムが、主人公の生きざまと不思議なほど合っている。
講談社文庫 440ページ
Posted by ブクログ
しぶいなぁ。
今の時代、こんな男はいるんだろうか。
本の中だからこそあり得る、男のしぶい生き様ですね。
こういう生き方、かっこいいなーと思うが、現実には出会えませんね。