【感想・ネタバレ】知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術のレビュー

あらすじ

イマドキの知的生産は「技術」×「センス」

私たちは、インターネットという情報ネットワークを自在に操り、クラウドに膨大な情報を蓄積して、それらにパソコンやスマートフォンなどからいつでもどこからでもアクセスできる時代に生きているのです。しかし、私たちが日々生み出している情報は、こういった環境の進化に追いついているでしょうか?道具や環境が整った今だからこそ「知的生産」のための技術について、あるいは「知的生産」とはそもそもどういったものなのか、その源流をたどる必要が高まっています。「Evernote」というノートアプリを使っている方も多いかもしれません。その原型とも言える「京大型カード」の活用を起点にまとめられた大ベストセラーが、生態学者、民族学者、情報学者、未来学者であり「知の巨人」と呼ばれた梅棹忠夫先生が執筆された古典的名誉『知的生産の技術』です。この本には「個人が情報をどう記録し、いかに活用するか」というノウハウが凝縮されていて、ほぼそのままEvernoteのような現在の情報整理ツールに活かすことができます。梅棹先生が「知的生産の技術」として提唱された、情報の集め方、記録の仕方、そしてアウトプットの仕方などのアプローチは、今日から実践できるとても身近で実直なものです。本書はそんな「知的生産の技術」をできる限り現代の私たちも活かせるように再解釈し、いま私たちの周囲にある道具や環境に適用できるようアップデートを試みました。国立民族学博物館でウメサオタダオ展の企画運営を担当した小長谷有紀先生にも協力をいただき、できる限り梅棹先生がどう考えて、実際どのように取り組んでいたのか、確認しながらまとめた一冊にもなっています。

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Posted by ブクログ

知的生産とは、インプットを基に自分の考えで再構成したり新たなものを加えてアウトプットすることだという。仕事柄、アウトプットを日々することが求められているが、それに必要な心構え、インプットを適切に自分の引き出しにしまっておく方法などがよくわかる。本書の中でも挙げられていてよく分かった例は、読書・映画鑑賞は知的生産ではなく、演奏・文筆は知的生産であるという。梅棹氏の「知的生産の技術」で挙げられた京大ノート・小札による整理術をベースに、現代に利用できるEvernoteなどの使い方は参考になる。個人的にはEvernoteではなく、OneNoteを使っているが、同じような使い方を実践してみようと思った。
さらに、知的生産を通して、代替不可能な存在になることの大切さがふれられていた。本当にそうありたいと思った。「誰でもいい」「いなくなってもすぐに代わりがいる」ではなく、「いないと困る」存在になりたい。そのためには、アウトプットを日々積み重ねる努力が必要だと感じた。

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2019年05月23日

Posted by ブクログ

"梅棹忠夫さんの名著「知的生産の技術」を現代のツールを使って見直してみたのが本書。
改めて、原書を読みなおしてみたくなった。
そのうえ改めて、この本を読むといろんな気づきがあるかもしれない。"

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2018年11月08日

Posted by ブクログ

梅棹忠夫先生の「知的生産の技術」をインターネット時代でどう活用するかを紹介した一冊。
「知的生産」とは梅棹先生が生み出した言葉で、「誰もが新しい情報を生み出し、体系化し、新しい価値を生み出すこと」と定義されている。
現代では、インターネットを使って情報を誰でも発信できるようになっているが、「知的生産」のためには、どんな情報をどのように探し、選び、自分の琴線に触れたものをどう表現していくのか?が重要。
それを本書では“センス”と表現しているが、
「一人称」の情報を繰り返し自分自身にフィードバックさせてゆくうちに、情報に対する感度は研ぎ澄まされていきます。(P179)
日々繰り返し意識して実行する必要がある。最初からうまくいくわけないんだから、まずはインプットのセンスを磨かないと。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

名著として名高い故・梅田忠夫氏が約50年前に著した「知的生産の技術」を現在のデジタル環境を踏まえて再解釈した一冊。

原著は目を通したことがある程度だが、本著を読めばそのエッセンスを感じることができる。

「知的生産」というと随分敷居が高いことのように感じてしまうが、まずは既存のコンテンツの模倣でもよく、そこに自分なりの解釈を加えながら、少しでも新しいものになってくれば良いという、本書での言葉には励まされる。

その「自分なりの解釈」という点が、本書のタイトルにもある「センス」。

「センス」は何らかのアウトプットをして、世間からのフィードバックを受けながら(インプット)培われるものだという。

自分なりの好き・嫌いというものをフィルターにして、様々な情報から自分のカンにピッと感じるものを濾しとっていく中で、センスというものは磨かれていくものだろうか。

ネット環境やモバイル端末の発達で情報は荒波のように押し寄せるものの、その中から自分なりのフィルターを通して、発信するという行為ができていない。

まずは曲がりなりにも「アウトプット」していきたい。

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2014年10月08日

Posted by ブクログ

名著「知的生産の技術」を現在版に置き換えようというチャンレンジングな試み。
久々にこういう技術系の本を読んだ。

序盤はネタ本と梅棹先生の紹介、後半はEVERNOTEの紹介?
読む前の期待が大きかっただけに、少々期待ハズレな面も。
ツールをアップデートした(情報カード→EVERNOTE)した感じ。

[more]
(目次)
第1章 そもそも「知的生産の技術」とは?

 梅棹忠夫とはどんな人物だったのか?
 40年以上読み継がれる『知的生産の技術』とは
 「知的生産」という言葉は梅棹先生が生み出した
 誰もが新しい情報を生み出すために
 現代に求められる「考えて書く」技術
 「知的生産の技術」は今も活かせる

第2章 「知的生産の技術」を支えたツール

 すべてを同じフォーマットで記録「京大型カード」
 「京大型カード」とはどんなカードなのか
 京大型カードに何をどのように書く?
 思考を筋道立てる「こざね」
 日本語をタイプするのも一苦労だった時代に
 『知的生産の技術』に書かれていないこと
 先の見えない時代にこそ求められる「知的生産」

第3章 今は知的生産のための“センス"を磨く時代

 デジタルの限界をどう克服するか?
 道具は変わっても本質は変わらない
 すべての基本はフィールドワーク
 巨人の肩に乗る
 3極モデルでセンスを磨く
 個人のセンスってなんだ?
 センスこそがフィルター
 キュレーションには弱点がある
 「売り場を見る」ではもう不十分
 インプットからアウトプットへ

第4章 「情報」をインプットする場所はどこなのか?

 好奇心が磨くインプットのセンス
 梅棹先生の「発見の手帳」
 自分を情報のフィルターとする
 クラウド時代の情報カード「Evernote」
 Evernoteで作る「発見の手帳」
 情報は整理せずに分流する

第5章 何をインプットしていくか?

 ウェブとのつきあい方とキュレーション
 フィルターバブル問題
 書籍によるインプットと、電子化による新しい読みの可能性
 電子書籍時代の読む技術
 知的生産の現場としての書斎
 情報インプットの流れ
 名詞的なニッチと、形容詞的なニッチ
 変わる紙のノート、情報カードの役割
 あなた自身がフィルターになる日

第6章 情報をどうアウトプットしていくか?

 誰もがアウトプットしなければいけない時代
 アウトプットへのハードルが下がった
 これだけある知的アウトプットのプラットフォーム
 「声」を持った発信と、リミックス
 リミックスを加速する発想法
 コラボレーションを可能にするサービスたち
 ログの生み出す力を享受しよう
 こつこつとコンテンツを提供できるサービス「note」
 知的アウトプットの輪を広げる
 わけの分からないことに身を投ずる

第7章 世界に+(プラス)の影響を与えるために

 世界に+(プラス)の影響を与えるための素養
 登山で磨かれた知的生産のためのセンス
 専門に縛られない
 たった一人で世界を変える
 一人の熱意が伝染する、活動の拠点を持つこと
 かけがえのない人材になろう
 逆境を手なずける
 梅棹先生が私たち=未来に託したテーマ

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」を現代のツールやったらこうできまっせ、みたいなことが書かれてます。原典ありきの本。

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2015年11月23日

Posted by ブクログ

読みやすさ  :★★★★☆(読みやすい)
分かりやすさ :★★★★☆(分かりやすい)
内容の充実度 :★★★☆☆(普通)
全体のまとまり:★★★★☆(まとまっている)
費用対効果  :★★★☆☆(トントン)
読後感    :★★★☆☆(普通)

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2015年07月09日

Posted by ブクログ

こういうの好きなので買ってみた。

内容をまとめると

* 『知的生産の技術』を現代の状況と照らし合わせながら読む
* 梅棹忠夫氏の足跡を改めて振り返る
* 知的生産のセンスの磨き方(現代版『知的生産の技術』)

の3つが柱になってるのかな。

『知的生産の技術』と梅棹さんへのリスペクトが詰まった熱い本だと思う。ただ、良くも悪くも比重がそこに寄ってるので「現代版『知的生産の技術』」だと思って読むと物足りない気がする。

あと、自分は読んでたからいいんだけど、『知的生産の技術』を読んでない人にはわかりにくい部分がけっこうあるんじゃないかな。この本を買うような人の多くは読んでるだろうし、ターゲットをそういう人にしたんだろうけど。

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2016年08月08日

Posted by ブクログ

知的生産をエンカレッジする本なので、もうそのプロセスに巻き込まれている私としては、知ってる話。ただ、ブログなど書きながら思考する、という側面はもっとトライしてもよいかも。

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2020年04月03日

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