あらすじ
お互いの感覚を共有してしまう奇病を患った脩一と花絵。病を通じて彼らは出会い、やがて惹かれ合っていく。それはどちらの感情だったのか。心の融解を感じながら、二人が辿り着く未来とは。つめたく儚い人々の物語。
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Posted by ブクログ
最後まで一気に読んでしまった。
やはり文章がうまい。
ただ、少女の境遇は、つらすぎてページを飛ばしてしまった。
カズオ・イシグロ的感性というか、あらゆる人間集団の思想信条類形から離れた、個人の悲喜劇を、でも個人の力ではどうしようもない大きな力で握りつぶされる、そういう人間を描いている作品を、自分はこの頃多く見るようになった気がする。
Posted by ブクログ
絶望感が溢れる物語がわりとすき、あんな絶望が身体中に染み渡ってる感じがとても心地よい。最後はHEだろうかBEだろうか,うまく収めるのならそれはそれで別に構わない。唐辺さんの小説は初めてだが,プロローグだけで一気に読み終わりたくなった。読み易くて、展開も穏やかで、意識と身体の存在意義も見事で、それにタイトルの表現もすごく気になって、全体的グレーっぽいの魔性が漂っていた。エンディングは正直に虚しいが,甘さをかけた”前触れ”に緩和されたように、無限ループこそが真の永久・真の誕生の上辺の考えに陥るのも悪くはない。