【感想・ネタバレ】夢の底から来た男のレビュー

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Posted by ブクログ

悪夢からくるパラレルワールド(?)から始まり、超能力を中心に描く、ちょっと怪談チックなSF短編集。超能力と言っても、テレパシー的なものやちょっとした未来予知という、現実離れ度合いは少なく、ほぼ現代ミステリといった作品がほとんどである。

その昔、仲間内でSFブームがあった際に、半村良も読まれていたのだけど、一部の作品は評価が高く、それ以外はそうでもなかった。本作は「そうでもなかった」の類なのだろう。超常現象によるダイナミズムが僅かで、人間関係の難しさや怖さといったところが本論になっている。

この歳になったら、怖さがわかるようになってきたので怪談として読めるが、導入の地味でドライな人間模様の描き方には、合う合わないが出そうな気がする。そのせいもあって、半村良作品を読んだのは中学か高校以来だ。

本作でやはり面白いのは表題作。それ以外は短編ドラマ的に脳内で映像化出来る人向け。半村良独特のカラフルな角川文庫は絶版なようなので、ミステリ的なSFが好きなオトナの人は、最近出ている電子書籍版を読まれるとよいでしょう。

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2016年09月03日

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