あらすじ
あの、すみません。道をお尋ねしたいんですがダブ(エ)ストンって、どっちですか?実は恋人が迷い込んじゃって……。世界中の図書館で調べても、よく分からないんです。どうも謎の土地らしくて。彼女、ひどい夢遊病だから、早くなんとかしないと。え?この本に書いてある?!あ、申し遅れました、私、ケンといいます。後の詳しい事情は本を読んどいてください。それじゃ、サンキュ、グラッチェ、謝々。「今、行くよ、タニヤ!」
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
1998年。第8回。
ファンタジー。何故にメフィストに応募したのだろ、新潮ファンタジーノベルって感じだけど。
子供の頃から穴掘りが好きで考古学者になったケン。夢遊病の恋人タニアを探して、ダブエストンまで。なんで(エ)なのかというと、人によって言い方が違うから。地図にもない島?で、ここでは人々(てか生き物)は道に迷ってばかりいる。
半魚人だの、しゃべるツバメだの、ファンタジーぽいのと会っていく。
ファンタジー好きだから、楽しんで読めたけど、オチがよくわからん。
Posted by ブクログ
夢遊病のためにどこかよく分からない場所に行ってしまった恋人タニヤを探して旅立った考古学者ケン。乗っていた船が難破して辿り着いたのは、目的地ダブ(エ)ストンだった。地下鉄を運行する親子や人食い熊、郵便配達人など、様々な人や人じゃないものと出会いながら旅を続け、やがて自己の本質に思い至る。
ダブ(エ)ストンとは架空の場所で、なぜ(エ)なのかというとそこにいる人々が各々違う発音をする為だ。それで(現実の)書店では(エ)を発音するかどうかで混乱したという。本当なら面白いエピソードだ。勿論本編も面白い。カテゴリとしてはファンタジーよりも冒険小説だと思う。ダブ(エ)ストンの環境は厳しく、生きていくだけでもかなり大変なのだが、悲壮感は全くない。人々は心ならずも迷ってしまうのだが、迷い続けることを是として受け入れているので、楽しそうにも思える。まあ迷うの実際楽しいし(実体験)。ラストでケンはタニヤに会えたのかどうかは分からない。でも会えたと信じたい。そして今度は二人で楽しく迷い続けるのだろう。