【感想・ネタバレ】哀愁の町に霧が降るのだ(下)のレビュー

あらすじ

青春小説の名作、ついに復刊!

ああ、いいなあと思ったのだ。
私もこんなふうにはちゃめちゃに暮らして、馬鹿なことをして笑っていたいって。

椎名誠、沢野ひとし、木村晋介、イサオの四人は、相変わらず「克美荘」の暗く汚い六畳の部屋で、共同貧乏生活の日々を送っていた。
しかし、それぞれが徐々に自分の生活を確立していくにつれ、四人が揃うことは少なくなっていく。そして、共同生活にもついに終わりの時が訪れた。
沢野が去り、木村は司法試験の勉強のために実家に戻り、業界新聞社に就職した椎名も、次第に克美荘から足が遠のいていった――。
自身のまわりを怪しく徘徊する魅力的な人々を、椎名誠が生き生きと描く傑作長編。
書き下ろしのあとがきを収録。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

情報センター出版局の3分冊版。後書きが1982年だから、もう40年近く前に書かれたとは…過去の本ではあるが、当時のエネルギーが伝わってくるし、シーナ氏に傾倒していた自分の20代も思い出す。
無くなってほしくない名作。

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2021年03月22日

Posted by ブクログ

上巻の続き。上巻と同様に仲間とわちゃわちゃする話だが、上巻と比べるとこっちの方が、それぞれの人が目的を見つけて旅立っていく感が強い。しかし、椎名さん以外の仲間も活躍しているってすごいなぁと思った。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

椎名誠は面白い、それにつきる。風邪でダウンで上下一日で読んだ。
彼の青年時代の話が中心だけど、やっぱりこの時代は活気があった。楽しくて切なくて、突っ走る。

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

時代を感じる オーディブルにて

自分が生まれるもっともっと前の日本の雰囲気を感じられてとても面白い
あっちへこっちへ話が逸れるけど、それもまたとてもいい

ながら聞きをするのにとてもちょうどいい

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

陽当たりの悪い克美荘に住む彼らは、天気の良い日に河原に布団を干しに行く。「異常なカタツムリのキャラバン」のように。この場面を想像すると、かなりおかしい。
コタツを質流れする前に出して、みんなでこの世の最上の幸せを感じているさまもいい。本気でプロレス大会したりね。
でも、最初に住んでいた4人が一人抜け一人抜けしてくのはもの悲しかった。司法試験に合格したり、怪しい会社とはいえ就職したり。一人一人の生活が確立するまでの猶予期間、モラトリアムが青春なのかもしれない。特別エッセイを寄稿している角田光代さんがいう「何ものでもない時間」がこの本の魅力なんだろうなあ。そこで仲間と馬鹿やって無駄な?時間過ごしたことが後の自分を支えるのかもしれない。私も大学時代の友人と再会して、「何ものでもない時間」の記憶が再び鮮明になった。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

4時起きで河川敷で早朝ハーフ。春爛漫でポッカポカ。
厚着しすぎて汗ビッショリ。半袖でプレイしてる人も居た。気温の変化に機敏に対応できないタイプ(汗)

10時前には自宅に戻って、もう何十年も前から読もうと思って未読になっていた、椎名誠の「哀愁の町に霧が降るのだ」を読む。

これを読んだら誰だって、自分の青春時代と重ね合わせてノスタルジックな気持ちになると思う。笑って読んでいるうちに、いつの間にか「哀愁」という言葉が胸にずんとくる。

もう40年も前の作品なのが驚き。新鮮で全く色褪せて無い、評判通りの傑作だ。「新橋烏森口青春編」「銀座のカラス」との三部作になっているそうなので、それも読んでみよう。

白いTシャツに洗いざらしの青いジーパンを履いた若さ溢れるイメージだった椎名誠は、もう77歳。

去年コロナで大変な思いをしたらしいが、回復して執筆活動を再開したとのこと。若い頃、椎名誠の生き方に憧れたが、今でもその思いは変わらない。

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2022年04月09日

Posted by ブクログ

前巻から引き続き安賃貸での共同生活が続いていく。いつまでも続くと思われた仲間たちとの共同生活も、一人、また一人と自分の道を見つけ、抜けていく。いつまでも子供のままでいられない、その寂しさのようなものが感じられた。

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2017年05月19日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
椎名誠、沢野ひとし、木村晋介、イサオの四人は、相変わらず「克美荘」の暗く汚い六畳の部屋で、共同貧乏生活の日々を送っていた。しかし、それぞれが徐々に自分の生活を確立していくにつれ、四人が揃うことは少なくなっていく。そして、共同生活にもついに終わりの時が訪れた。木村は司法試験の勉強のために実家に戻り、沢野が去り、業界新聞社に就職した椎名も、次第に克美荘から足が遠のいていった―。自身のまわりを怪しく徘徊する魅力的な人々を、椎名誠が生き生きと描く傑作長編

いつかは終わる共同生活。皆成長して自分の世界を獲得して行くにつれ、部屋に帰って来なくなります。未来溢れる若者たちは黴臭い部屋からどんどん飛び出して行って、過去を振り返る事無く突っ走って行くんですが、彼らがこの後もずっと親友として付き合っていくことが分かっているので寂しいですが胸がジンとします。いいなあこういう友人関係って。
この後も銀座のカラスや新橋烏森口と続編のようなほんが続いて行くのですが、手元にもう残っていないのでまた買いに行こう。にわかに椎名誠ブームが僕の中で到来したようであります。

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2017年02月23日

Posted by ブクログ

ベースは貧乏なヤローたちの共同生活を面白おかしくつづった小説なのだが、ときおり描かれる叙情的な風景や心理描写がちくっと胸を刺す。

いつもはバカばっかりやっているのに、ふと夕焼けがしみたり、冬の夜の冷たさにハッとして空を仰いだり、一人のときに将来のことを夢想したり、何も知らないくせに人生や世の中に絶望したり。そんな瞬間が確かにあった。

振り返ってみればなかなかすてきだった、そんな日々を思い出させてくれる本なのでありました。

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2017年01月12日

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