あらすじ
「金田一賞」受賞学者が
漢字の文化史を多角的に解明!
東アジア各地に広がる漢字文化。漢字への日本人の思いは強く、意味や音だけでなく情感や形にまでこだわり、他国には見られないほどの愛着をもってフル活用してきた。ひらがな、カタカナ、数々の国字も、漢字なしには生まれてはいない。漢字を消化・吸収し、考え、遊び戯れ、ときに悩み、誤解や曲解を重ねた2000年の歴史。それを見ていけば、日本人とは何かが見えてくる。
[内 容]
第1章 漢字はあんがい身近な文字である
第2章 日本人と漢字との出会い
第3章 誤字も略字も文字のうち
第4章 地名や人名を表す文字
第5章 若者漢字と漢字文化の未来
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Posted by ブクログ
日本での漢字の用い方、理解のしかたをテーマに、幅広い話題を取り扱う。
(面白いんだけど、こういう本はレビューが書きにくくもある。)
いつから「やまと」は「大和」と表記されていたか。どんな経緯か。
国字、国訓のこと。
誤字。それから打ち文字になってからの誤字。
打ち文字時代の略字。
地名や人名に用いられる漢字。
平仮名、片仮名、漢字の表記の違いが与える印象。
…こんな話題のラインアップだった。
人力車を表わす人偏に車の字は、確かに明治期の小説などによく見る。
あれが明治期の創作漢字コンクール入賞作品だったとは知らなかった。
こういうニッチ(といっては申し訳ないけど)な情報の個々は面白い。
一方、人名漢字の話は、他の本でも読んだような気がする。
方言漢字のことは、笹原さんの他の本でももちろん読んだことがあるが、むしろ今尾恵介さんあたりの本でも。
いっそ二人で対談してほしい。