あらすじ
世界をまたにかけて移動し、世界中の人々に影響を与え続けているユダヤ人の起源から現代までの三千年以上にわたる歴史を、簡潔に理解できる入門書。各時代における有力なユダヤ人社会を体系的に見通し、その変容を追う。オックスフォード大学出版局の叢書にもおさめられている基本図書。多数の図版と年譜、コラムを収録。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
少数民族は、国家において、景気・環境が良い時は人権が確保される。一方で、景気・環境が悪くなったときは、嫌悪の対象となり差別的な扱いを受けることを大原則として話を読み解く。
ユダヤ国家誕生の地はイスラエル。エジプト文明とメソポタミア文明という二つの大きな勢力に挟まれた小国であった。国として成り立っていたのは、BC1000ダビデ王が国家統一し、BC500頃にバビロニア人に滅ぼされるまでの間のみである。その後は、ギリシャ、ローマ、ペルシャ帝国、イスラム教、キリスト教、オスマントルコ帝国など大国の盛衰に多大な影響を受けながら、世界各地に分散して定住する。
世界各地で少数派、異教徒であったユダヤ人は土地を所有する権利がなかった。そのため、農業以外で稼ぐ術を考えなければならず、金融、貿易などに強くなったと考えられる。
ユダヤ教にとって良かった出来事、悪かった出来事を以下に列挙する。
良かった出来事
神学中心→資本主義(知的活動)への社会の流れ
自由の国アメリカ
30年戦争、、独立戦争(戦費調達で活躍)
ナポレオン
オスマン帝国(繁栄期)
イスラム教(繁栄期)
ペルシャ帝国(繁栄期)
悪かった出来事(基本的には、環境悪化→市民の心底にある差別意識が爆発の流れ)
ドイツWWIの敗北
赤色恐慌
ペストの流行
ナポレオンの死
バビロニア人の侵略