あらすじ
母に殺されかけ、心に深い傷を負った高校生・沙織。そんな彼女が出会った盲目の青年・亮。「君は、なにも悪くない」と語る亮の言葉は荒んだ沙織の心に染み込んでいくが……。運命に翻弄される男女を描く!
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Posted by ブクログ
普通の思春期のいわゆる「荒れた」女の子の話。。でした。
幼い頃、母親に殺されそうになった経験から自暴自棄になり、行きていくことに意味を見いだせないサオリ。公園で出会った目の見えない少年によってその人生が動き出す。
サオリが堕ちていく様は昔流行った「積み木くずし」というノンフィクションを思い出した。
家庭内暴力、家出、タバコ、酒、薬、リンチ。。いろいろな悪いことに手を染めるサオリ。
それをたった4回しかあったことのない良に救われていく。。。
この2人が共鳴した「闇」は計り知れなくて、私には理解しがたいものでしたが、最後の終わり方が、いわゆるお涙ちょうだいではなく、意外で良かったです。しかし、10代。。恐ろしい。簡単に犯罪に手を染めちゃうのね。。自分の10代が平凡で本当に良かった。
Posted by ブクログ
幼い頃に母親に殺されかけた沙織は、優等生を演じながらも他人には心を閉ざしたままだった。そんな彼女がただ一人心を許せたのが、公園で偶然出会った盲目の青年・亮。しかし亮のことを「彼氏」と呼ぶ女性が現れたことが、沙織を悪魔へと変身させる。家庭内暴力、同級生へのリンチ、不良グループとつるみドラッグに手を出す。荒みきった沙織を亮は救うことができるのか…。
新堂冬樹先生らしい作品だった。盲目の青年が少女を救うところや少女が最終的には障害を負ってしまうところなど、『忘れ雪』とかの作品と似通っているところがおおかった。
Posted by ブクログ
久しぶりに著者の作品を読む。
白新堂らしい、ほっこりするところ、
黒新堂らしい、読み進むのもためらうほどのエグい描写の双方が盛り込まれている。
物語構成は先が読めてしまう部分もあるかもしれないけれど、目が見えない少年と、心に傷を負った女子高生というシナリオ自体は面白いと思う。
だからこそ、もう少しどうしてこうなったのか?
そうした掘り下げが欲しかった。
Posted by ブクログ
母親に殺されかけた経験から心に深い闇を抱く少女と盲目の青年との出会いの物語.青年は少女の闇に気付き,自らの過去の闇に重ね,次第に少女に惹かれていく.そして青年は彼女を救うことを決意する.これ面白いな.もっと掘り下げても良い感じ.単純なハッピーエンドではちと物足りない.人は自らの心を壊さないために時に鬼を棲まわせてしまう.そして一度棲みついた鬼は一生出て行ってはくれないのだと思う.鬼とどう向き合って生きていくのか,そんなテーマだったら良かったな.