あらすじ
オレは修羅場を踏んできたと大物ぶる者、過ちを認めずに開きなおる者、弱音を吐いて同情を誘う者、仲間が集まると急に気が大きくなる者――自分に酔って恥じることなき懲りない人々。「自分」という酒にうっとりするためなら、他人の感情なんて気にせず平気で蹴落とす。なぜなら自分は特別なのだから、と妄想的なのぼせ酔い。なにを根拠にそこまで下品になれるのか。先に酔った者勝ちだといわんばかりに、ますますオダをあげる彼らとどうつきあうか。他人の“酔態”見て、わが“酔態”直せ! 現代「自己陶酔」白書。
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Posted by ブクログ
毎度おなじみ、自己愛の化物と化した現代人への徹底的な罵倒の書。
本来は他人に強要できるはずもない「自分への愛(自分を知って欲しい、認めて欲しい、共感して欲しい、愛して欲しい、嫌わないで欲しい、批判しないで欲しい)」が肥大しておかしな事になっちゃってる状態を、「ほろ酔い」「やけ酒」「泪酒」等、酒による酔態に例えて述べるという。
「『酔う』とは自己批判力の減衰」(28頁)――……
はい。耳が痛すぎます。
自分を客観視できなくなるから、言わなくていい事言ったりやらなくていい事やったり、言わない方がいい事言ったりやらない方がいい事やったり……ああああああっ!!(思い出し絶叫)
酒にも自分にも「酔う」のは相当気持ちいいもんですが、グデングデンに酔い潰れたバカ達のみっともなさをこれだけ突きつけられると、酩酊への欲求よりも「こうはなりたくねえな」という思いの方が勝ります。
勢古氏自身がお酒を嗜まない方だそうで、バカ描写はいつもにも増して辛辣ですが、いや、これくらいハッキリ言われなきゃ解んないんだ。特に私のような人間は。
現在進行形で泥酔している人よりも、泥酔者に迷惑をかけられた人が溜飲を下げるのにオススメです。