【感想・ネタバレ】ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―のレビュー

あらすじ

早稲田大学を出てアニメーション制作会社へ入ったごく普通の青年がいた。駆け出しながら人気アニメ作品の演出にも携わるようになったが、24歳のある日を境に、仕事場では突飛な大言壮語をし、新聞記事を勝手に自分宛のメッセージと感じ、また盗聴されている、毒を盛られるといった妄想を抱き始め……。四半世紀に亘る病の経過を患者本人が綴る稀有な闘病記にして、一つの青春記。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

統合失調症の患者の体験記。こういう人が世界をどう見ているのかってのが分かると、自分の脳の仕組みについてイメージしやすくて良い。


●脳への感想で一番強く考えたこと。「リミッタ―があるんだな。」
普段はリミッターで抑えてあるから思考にはスピード制限があるけれど、精神病のような症状が出ると抑えが利かなくなるんじゃないかな。
そうすると、著者のように次々に思考がつながって、頭の中に言葉が溢れてくるのではないだろうか。
このリミッターはホルモン的な何かなんだろうけれど、これの分泌をコントロールするのが精神病の薬なのかな。

●もう一点、精神的ななにかで大事な観点があると思った。「客観性」
障害者とか精神病患者は客観性の欠如がうかがえる。別の言い方をすると「思いやり」とか「他人の気持ちを察する能力」
この本の中でもよく出てきたが、世界が自分を中心に回っているように強く感じるとのことである。
少し話は逸れるが、人は大人になるにつれて「客観性」が身についていく。他人の気持ちを考えられるようになるから友人を作れるようになるし、恋ができるし、仕事もできる。客観的に考えられるから法律を扱えるようになる。
考えや行動が子供っぽい人ていうのは、我がままだったり視野が狭かったりする人だと思うんだけど、つまり客観性が無いってことだと思う。
つまり、精神病患者ってのは幼児期への退行のようなものではないかと思う。

自分や知人がもし、「幼児的な退行現象がみられる」とか「最近客観的に考えられなくなったかも」って思ったら、その人の精神的な負荷を軽減してあげられるようになろうと思う。

___

●大隈重信=円の単位を作った人

p187 秩父困民党事件…松形デフレで困窮した農村部の非暴力決起
秩父の農民とアイヌ人が関連している!? そもそもこの事件は秩父が隠れキリシタンの秘境であったという可能性も問題に含まれている。
統合失調症には関係のない部分だった。

p190 『スター・シーカーズ』積読

p209 心は脳にあるか
もし心が脳にあるのなら、薬を飲めば精神病は完治できるはず。しかし、そうはならない。一度なったらどこかしら影響が残る。
というのも、精神病がよくなってもその時の自分の記憶は心に堆積しているから。だから脳だけ直しても心にある傷が癒えないから、精神病は一生モンになってしまう。
つまり、心と脳は別物だ。

う~ん。持論では、心は脳が言語経験によって作りだすのが心なんだよね。だから、心=脳ではあると思う。
心が死んでも脳は機能するけど、脳が死ねば心も死ぬと思う。だから私は養老猛に共感して唯脳論を指示します。

p228 元号の改定における世論
「(平成は)平和な世の中になってほしい。」「新天皇は世の中を平和にしてほしい。」
この世論は非常に低級である。平和な世の中は一人一人の活動によって実現していくものである。上記の回答は、とにかく自分以外のものが平和的活動をしなくてはだめだということになる。
じゃあおのれ自身は何をするというのか。マスメディアも「どんな時代にしていきたいですか?」と能動的な問いかけをすればよかったのに。



この手の著作は視野が広がるわーーーーーーーーー(╹◡╹)

1
2013年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

色々とすごい本でした。
簡単に感想を言えない本だな。
実際に子の本を読んだ身近な人と感想について話してみたいなと感じる本です。

どこを軸に話すかで大分話がかわってくる本だと思います。

私的には”面白い”っていう基準でくくれる本ではないかな。

でも読後感は大きい本でした。

1
2013年01月27日

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