【感想・ネタバレ】すべての怒りは水のごとくにのレビュー

あらすじ

わたしが受けた一つの衝撃から語りはじめたい。三年間中学校に行かなかった少女からの手紙がわたしに届いた。少女の文章には一個人の体験にとどまらず、「教育」というもの、さらには人類の行く末までに至る問題が含まれていたのだ。怒りを怒りとしてではなく、すべての怒りを海に注ぐ水のごとくに、未来を見据えて語ったその静けさが、私たちの胸を深く、そしてつよくたたく。表題作の他、子供の詩、島での暮らし、北朝鮮訪問、人生で巡り会った人たち、あれこれの本などを巡る灰谷健次郎のエッセイ集。子どもの心、いのちの行方を真摯に見つめ、深い示唆に満ちた一冊。

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Posted by ブクログ

≪怒りを怒りとしてではなく、
 すべての怒りを海にそそぐ水のごとくに、
 未来を見すえて語ったその静けさが、
 わたしたちの胸を深く、そして強くたたく。(帯より)≫


新聞・雑誌等に寄せたものをまとめた一冊である。
著者が人間のほんとうのやさしさや、ありようについて、思うところ・影響を受けたことごとを書き綴っている。
「すべてのものに神が宿る」という自然崇拝の心を万人が抱くことができたなら、この世にないがしろにされるべきものはなにもなくなり、差別とも諍いとも遠い世界も夢ではないかもしれない。命を粗末にしないことが身に染みるなら、家庭教育も 学校教育も自ずから変わってくることだろう。

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2009年10月07日

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