あらすじ
「わたしはどうせ死ぬんだから」――四度目の心臓手術を拒否し、いつもそう言っては母親を泣かせている少女・千佳。その千佳が、隣の病室の患者との触れ合いの中で、次第に心を開いていく様子を描いた「燕の駅」。四歳の男の子・タアくんの日常と、その瞳に映る様々な大人たち、そしてタアくんが心の中に秘めている痛いほどの孤独と不安を描き出す表題作「子どもの隣り」など、全四編を収録。現代に生きる子どもたちの傷つきやすい心を繊細に描き出した、珠玉の作品集。
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Posted by ブクログ
「つばめがとまるところは みんな つばめのえきです」(燕の駅)
少年は一体何をしていたのか、いくつもの人生を毎週経験していたのだとは何なのか。男の息子もまた、どんな人生を送りたかったのか。
(日曜日の反逆)
悪いことをしたけど、そのことが自分が自分であることを再認識させてくれた。それを教えてくれた奈良君、伊丹君、そしてお父さんありがとう。
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灰谷さんの描く子どもは子どもっぽくなくて、でも確かに子どもで。
子どもならでは本質の付き方が本当に素敵だなと毎度思います。
この本は4作品を集めた薄い短編集ですが、
そんな短い話の中にも、生と死を子どもに乗せてありありと描いています。
ほっこりするけれど、どこかヒヤッとさせられる、そんな一冊でした。
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「つばめがとまるところは みんな つばめのえきです」(燕の駅)
「わたしは父や母をふつうに愛しているけれど、それはときどき、父母を憎んだり軽蔑したりするからだと思う。そういうことを父も母もわかってないみたい」
「流行ばかり追いかけている子は、いちばん大事なときに、ちゃんとものが見えない子が多いみたい」
「服装や頭髪のことをいちいち他人に指図されるからいやというのではなく、そんなことをすることで、わたしたちの気持を傷つけているのに、少しもそのことに気がついていない無神経さがいやなんだ」(友)
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初、灰谷健次郎を読破!
ちょっと独特。
読み進めてみると、
このオブラートの中に
何があるんだろう、って探検気分。
江國さんの解説が、どこまでもすてきだ。