あらすじ
「わたしはどうせ死ぬんだから」――四度目の心臓手術を拒否し、いつもそう言っては母親を泣かせている少女・千佳。その千佳が、隣の病室の患者との触れ合いの中で、次第に心を開いていく様子を描いた「燕の駅」。四歳の男の子・タアくんの日常と、その瞳に映る様々な大人たち、そしてタアくんが心の中に秘めている痛いほどの孤独と不安を描き出す表題作「子どもの隣り」など、全四編を収録。現代に生きる子どもたちの傷つきやすい心を繊細に描き出した、珠玉の作品集。
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「つばめがとまるところは みんな つばめのえきです」(燕の駅)
少年は一体何をしていたのか、いくつもの人生を毎週経験していたのだとは何なのか。男の息子もまた、どんな人生を送りたかったのか。
(日曜日の反逆)
悪いことをしたけど、そのことが自分が自分であることを再認識させてくれた。それを教えてくれた奈良君、伊丹君、そしてお父さんありがとう。
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灰谷さんの描く子どもは子どもっぽくなくて、でも確かに子どもで。
子どもならでは本質の付き方が本当に素敵だなと毎度思います。
この本は4作品を集めた薄い短編集ですが、
そんな短い話の中にも、生と死を子どもに乗せてありありと描いています。
ほっこりするけれど、どこかヒヤッとさせられる、そんな一冊でした。
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同作者の「兎の眼」が好きだったので手に取り一気読み。収録短編四作はいずれも「子ども」を主軸にしている。大学病院で闘病する少女が主人公の「燕の駅」、謎めいた少年と曖昧な邂逅を繰り返す男性の視点の「日曜日の反逆」、中学生の少女が主人公の「友」、4歳の男の子が主人公の「子どもの隣り」のいずれも、揺れ動く心を静かだが力強く描いていて迫力があった。
「燕の駅」:長期入院して心臓手術を繰り返している女の子の視点。厭世的・攻撃的になっていた心が隣室に入院した患者との交流でほぐれていくお話。
「日曜日の反逆」:大人の男性の視点、何か秘密を隠している男の子との交流。この2人はもう会うことはないんだろうけれど、それぞれが次の一歩を踏み出せたんだろうな、と思える結び。
「友」:中学生の女の子が主人公。学校(教員)と生徒との軋轢や、生徒同士の緩やかな諍いや共感など、人間関係の機微の内容。
「子どもの隣り」:三人称視点。4歳の男の子が主人公で、彼のお父さんとその恋人(お母さんは故人)、街で会うおじいさんや中高生くらいの女の子たちとの関わりが展開する中にも「死ぬこと」の話題が折り込まれている。男の子は密かな悩みに折り合いをつけられたのかな、ずっと感じていたかもしれない寂しさが少しずつ解消されるかな、と思える結び。
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「つばめがとまるところは みんな つばめのえきです」(燕の駅)
「わたしは父や母をふつうに愛しているけれど、それはときどき、父母を憎んだり軽蔑したりするからだと思う。そういうことを父も母もわかってないみたい」
「流行ばかり追いかけている子は、いちばん大事なときに、ちゃんとものが見えない子が多いみたい」
「服装や頭髪のことをいちいち他人に指図されるからいやというのではなく、そんなことをすることで、わたしたちの気持を傷つけているのに、少しもそのことに気がついていない無神経さがいやなんだ」(友)
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初、灰谷健次郎を読破!
ちょっと独特。
読み進めてみると、
このオブラートの中に
何があるんだろう、って探検気分。
江國さんの解説が、どこまでもすてきだ。