【感想・ネタバレ】ベイジン 完結上下巻セット【電子版限定】のレビュー

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2020年12月28日

北京五輪開催に合わせて世界最大級の原発を稼働させようとする中国が舞台。日本人エンジニア、
密命を帯びて赴任した中国の官僚、オリンピックの記録映画を撮ることになった気鋭の映画監督
の三人の視点で物語が展開する。日本の常識が通用しない中国では、きっと多くの日本人ビジネ
スマンが苦労したに違いない。...続きを読むそれにしても中国の権力闘争はあまりにえげつない。腐った連中
が富と権力を独占し、肥え太っていく様には怒りを通り越して恐ろしさを感じる。「諦めからは
何も生まれない。希望とは自らが戦って奪いとるもの」という一節が心に残った。オリンピック
開催直後に発生した原発事故は、まるで福一の事故を予言しているかのようだ。ちょっとした気
のゆるみや慢心が重大事故を招くというのはどこでも同じ。原発稼働に全力投入し、事故収束に
命がけで臨む原発マンの田嶋は立派だが、危機管理体制が全くダメで、かつ地震や火山が多い日
本にはやはり原発はいらないと思う。終わり方が唐突なのが残念だが、テーマの大きさを考える
とこれもやむ無しかと。

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