あらすじ
牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが……。
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Posted by ブクログ
「もう一度人生をやり直すことができたら、どこからだろう」というお話です。
主人公は銀行を不本意に辞めることになって、「こんなはずでは」と思いながらタクシーの運転手をやって、そこでもなかなかうまくいかずに、家族とも折り合いが悪い。
「どこで間違ったんだろう。あの道を違う方向に曲がれば人生は変わっていたんじゃないか」
人生なかば、誰もが思うことですね。自分も思います。
悩みますよね。もがきますよね。そしてどこにも行けない。
主人公は、そんな中、自分なりに試行錯誤の中で、仕事にも家族にも少し明るさが見えてきて、「自分の選んだ道が最善ではなかったかもしれないけれど、またちがった人生もあったかもしれないけれど、これはこれでよかったんだ」「この道でもう少し頑張ってみよう」と、希望を見出していきます。
いい話だなあ、と思いながら、でもやっぱりあの女性といっしょになったほうがよかったんじゃ、いやでもそうすると、この子どもたちとも会えなかったんだよなあ。。
と私の感想も堂々巡り。やっぱり人生いろいろですね。
光文社文庫 350ページ
Posted by ブクログ
あの日に戻ってやり直したら…
あの日の自分に伝えられたら…
と考えても仕方ないことをよく考える
過去の積み重ねで今の自分があって、
決して今が不幸せなわけではないけれど、
違う道に進んでいたらよかったのかもと
思うことがよくある
この本は、最初からずっと暗くジメジメした感じで過去を振り返り続けている主人公が
最後の最後までたいして変わることもないのだが、
それでも本人なりに満足度がアップして話が終了
面白かった