【感想・ネタバレ】すべてわかるLTE-Advanced大全(日経BP Next ICT選書)のレビュー

あらすじ

携帯大手3社がiPhone導入し、端末とサービスの同質化が進む中、2014年モバイル業界は新たなフェーズに入りました。LTEの次の進化のステップであるLTE-Advancedの導入、さらにVoLTEといった新技術の導入が待ち構えています。ネットワーク技術による差異化、さらには料金やサービスの多様化の時代が再び訪れます。

本書はこのようなトレンドの変化をいち早く捉え、今後の競争を占うヒントとなる無線インフラ技術進化のロードマップや周波数割り当て動向に注目。通信専門誌、日経コミュニケーションの掲載記事をベースに平易な言葉で書き下ろしたムックです。

次の競争の最大のポイントとなるLTE-Advancedの主要技術の徹底解説をはじめ、携帯各社のネットワーク品質向上の取り組み、注目を集める通信インフラ機能の仮想化「NFV」がもたらす影響、そして格安SIMで波に乗るMVNOの最新動向まで、余すところなく収録しています。また巻末には2020年に向けた、ネットワーク技術の詳細ロードマップを掲載しました。

携帯業界関係者はもちろん、広くモバイル業界の動向に興味がある読者に必読の内容です。

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Posted by ブクログ

ものすごい勢いで3Gから4G LTEに移行して高速化し、VoLTEも実現した移動体ネットワーク。その次の技術「4G-Advaned」に関するレポート。

4G Advancedは、イメージとして4Gの技術を結構力技で帯域を増やそうという技術という印象。CDMAやOFDMAという新しい無線技術が出てきたのとはやや事情を異にする。その分、確実に期待する条件が整う場合においては改善が見込まれるのだろう。2020年ごろを目標にしているが、段階的な改善が期待されている。
また、高速化だけでなくM2M/IoTで必要とされる低速・低消費電力の通信への対応も含まれる。

・複数のキャリアをまとめて高速化 - CA:Carrier Aggregation
・さらにTDDとFDDのCA
・さらにアンライセンスバンドとのCA - Licensed-assisted access (LTE-Unlicensed)
・複数のアンテナを使って高速化 ‐ MIMO:8x4まで対応
・マクロセルとスモールセルを重畳させて、容量確保とカバレッジ確保を両立 - eICIC: enhanced Inter-Cell Interferece Coordination, 基地局間干渉低減
・複数基地局が協力してセル端のゲイン向上 - CoMP: Coordinated Multi-Point
・M2M用の下り制御チャネル拡張 - ePDCCH
・M2M用の新UEカテゴリー - 最大200kbps程度
・OFDMAの強化 - SC-FDMA:Single Carrier FDMA
といった技術について丁寧に説明している。CAなどもうすでに商用で使われている技術もある。

また、日本の3キャリアの周波数割当状況と標準化動向についても詳しい。この辺りは、さすが、日経コミュニケーション。

4G-Advancedの先には5Gも検討をされていて紹介されているが、下記のようにさらに力技な感じ。
・10GHz帯以上の利用による広帯域化
・100以上のアンテナを使うMassive MIMO
・新しいアクセス方式NOMA (Non-Orthogonal Multiple Access)

NFVの移動体網への適用もホットトピックのひとつ。バックホール回線のPON技術や半導体プロセス技術の話まで含まれていて網羅性が高い。技術ひとつひとつの詳細を知るには不足だが、今後の技術の発展の方向の概要を押さえるには十分。勉強になった。

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2014年11月01日

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