【感想・ネタバレ】いじめで子どもが壊れる前にのレビュー

あらすじ

大津市の事件をはじめ、加速する現代のいじめ問題について、その様態、教訓と対策、学校の危機管理など、徹底的に解説。子を持つ親や現役の教師はもちろん、すべての大人が向きあうべきいじめ問題の本質に迫る!
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

和歌山の事例でいじめに真剣に向き合おうとしない学校や校長を、父親がインターネットを使って事件を公にすることで、学校が対応せざるをえない状況にしたというのは興味深かった。これは最終手段だと思うが、親が手を尽くしても、何も対応してくれない場合に限り、許される手段なのだろう。

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2014年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「「いじめをなくすべきだ。いじめなどあってはならない」と考えることには無理があります。このような考え方自体が間違っているかどうかはともかく、このように考えてしまうと、なくならないいじめに諦めを覚えたり、自分たちの学校にはいじめはないと根拠なく信じたくなったりするかもしれません。」(8)

「究極の目標は、いじめを撲滅することのように思えるかもしれません。しかし、「いじめの撲滅」が本当に目指されるべきだと言えるでしょうか……(中略)子どもを壊してしまうような深刻ないじめ被害を激減さえ、ゼロに近づけることが、私たちが目指すべき目標と言えるでしょう」(138-9)


授業の方法を研究してきた著者が、「授業のあり方がいじめを助長する一端になっているのでは」という問題意識を端緒として組み立てた本著は、いじめを題材にした本の中でも非常に良識的でバランスの取れた、現実の対策に活かしやすい一作だと思う。

良識的ということはすなわち現状に照らして穏当な提示ということで、胸のすくような視点の転換や解決策を求めている人にとっては、それほど魅力は感じられないかもしれない。
だが、いじめが子ども社会(学校)においてある程度通事的に起こってきた現象である以上、それが地道な解決策を一つ一つ打っていくことでしか解きほぐしていけないものであることもまた事実である。

子どもの健康状態への配慮、危機管理意識の醸成、広報機能の強化、異質原理をベースにした空間づくりのための教師自身と保護者のディベート能力の養成…短期から長期まで、少しずつの変化を積み上げていくことだけが、いじめが「惨状」に至ることを防いでいくことを可能にするのだろう。

(補足すると、これまでのいじめ研究の中での著者の立ち位置としては、いじめに一定の機能を認め、その撲滅ではなく病理化進行を防ぐことこそ肝要だと考える、加野芳正先生のそれに近い印象を受けた)

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2012年10月16日

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