【感想・ネタバレ】修羅場の極意のレビュー

あらすじ

修羅場には独自のルールがあり、それに対応する作法と技法がある。イエス、宇野弘蔵、西原理恵子ら多岐にわたる達人から、どんな極意を学べるか? ヒトラーら反面教師の「悪知恵」とは? 外交と政治の修羅場を駆け抜け、獄中で深い思索を重ねてきた著者が贈る、実践的アドバイス。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

佐藤優氏による著作。
2014年6月10日発行。
月刊中央公論に連載した「修羅場の作法」を再構成した本。
2013年5月号~2014年3月号の連載分

印象の残った部分を列挙してみると

絶えず闘争が続いている状況では、普段は見えるはずのものが見えなくなってしまう。
逆に普段、見えないものが見えるようになることもある。
国民に愛されるとともに恐れられる国王になることはとても難しい。
その場合、恐れられた方がいいとマキャベリは主張する。

修羅場で、守勢になった側での裏切り行為は、ごく普通の出来事だ。
政党、官庁、企業は、利益共同体(ゲゼルシャフト)なので、人間関係は、基本的に打算に基づいて構築されている。
政治家や官僚の派閥も、守勢になると崩れてしまいやすいのは利益共同体の本性からして仕方のないことだ。

トップに立つ者は、助言を絞り込む必要がある。
専門知識のある者の助言を受けるが、その場で結論を出さず、自分の頭でよく考え、決断する。
ひとたび決断したら、その後、多少、迷いが生じても
決断を断固貫く。

イエスは、まず敵と味方をはっきり峻別せよと説いている。
その上で、敵を愛するのである。
もちろん人間の心情として敵を愛することはできない。
しかし、愛するように努力しなくてはならない。
敵には敵なりの理屈や立場がある。
敵を愛するという視座を無理をしてでも持つことにより敵の内在的論理を理解することができる。
憎しみは、人の眼を曇らせる。
その結果、敵の論理や動きを正確に判断することができなくなる。
そして、間違えた対応をしてしまう。
敵を愛するという気構えを持つことによって、戦いを有利に進めることができるのである。

「受けるよりは与える方が幸いである」イエス・キリスト
限られた人生の中で、自分が他者から「受けること」を
第一義に考えるのではなく、他者に自分が何か「与えること」ができないかを考えることにより、この世界が異なって見えるようになることを、著者は人生の節目で何度も実感した。

ワイマール憲法のような、模範的な人権が規定された憲法をナチスの暴力だけで無効にすることはできない。
暴力的な政治には、それを正当化する有識者が必ず存在する。
いつの時代もケルロイターのような知恵者が現れて、
法解釈の名の下で民主主義を内側から破壊していく危険があることを、常に忘れてはならない。
「基本的諸法律は、国家指導の他の諸法律と別に区別はない」
オットー・ケルロイター

憲法改正手続きが面倒ならば、現行法体系と矛盾しても
政治的に都合がいい法律をいくつも通していけば、
実質的な改憲が可能になる。

コンピューター言語を自由に操ることができるギークたちには言語、民族、国家に対する意識が稀薄なのである。
第三者的に観察すれば、ギーク達の世界観はアナーキズムに親和的だ。
インテリジェンス・オフィサーの職業的良心は国家のために全てを捧げることだ。この観点で、インテリジェンス機関はアナーキストに対して先天的な忌避反応を持っている。
「元インテリジェンス・オフィサーは存在しない」
ウラジーミル・プーチン
インテリジェンス機関に勤務した者は、一生、この世界の掟に従い、国家に奉仕すべきである。この掟に背いた者は殺されても文句は言えない。

他者のために存在したというイエスに倣って、われわれも正しく言葉を使い、行動するならば、修羅場の危機から抜け出すことができるのである。
もう少し、われわれの日常に引き寄せて、
このことを言い換えるならば、あなたが他人の気持ちになって考える努力をすると、自然と言葉の使い方も異なってくるようになる。
その結果、あなたの行動が変化する。
この影響が自然と他人にも及ぶ。そして、他人もあなたのことを思いやるようになり言葉遣いと行動が変化する。
このようにして、リアルな人間の信頼関係が構築される。

日常を一時的にリセットする(安藤美冬)
仕事に熱中し、前だけ見て働き続けても、良い結果はでない。
定期的に休みを取り、自分の仕事を観察し、反省することが必要である。

人脈を長期間維持することは、人脈構築の数倍難しい。

人間が本当に怒るときは二通りです。
本当のことを言われたか、とんでもない大ウソをつかれたとき。

いわゆるエリートと喧嘩する際には中学校までのトラウマをどうやって引き出すかが大事なポイントになります。

佐藤優の修羅場・・事件の容疑者になって、メディアスクラムで3ヶ月間ホテル暮らしを強いられ、自宅の郵便物を報道陣に荒らされて、逮捕されて足かけ513日間独房に入れられて、公判に4500万円かかって、裁判に8年を要して、外務省をクビになったくらいです。

企業、官庁でも上司を選ぶことはできない。
無能な上司、性格に著しい偏りのある上司に遭遇したときは、「時」を待って、行動に移る。
決して、時期尚早な戦いをしてはならない。

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

修羅場とは、継続的に闘争が起きている場所を指す。

圧倒的な知識量から古今東西のテキストを用いて、修羅場において人がどう切り抜けてきたかを解説する。

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2015年02月18日

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