あらすじ
私は小説家だ。そしてこれは私の小説だ。私が心血を注いだ惨殺があり、私が身を削るように描いた苦悩がある。文の始まりから果てまで、すべてが私だ。 事件は私の書いた小説の通りに起きていた。犠牲者、殺害の方法、現場の描写。すべてが私の描いたとおりに。 私の見る『小説』通りに。 こんな殺し方ができるのは誰だ。こんな小説が書けるのは、なぜだ。 警察も、被害者も、加害者も私を疑う。『犯人』と決めつける。 だが私は『犯人』ではない。 私は、小説家なのだ。
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Posted by ブクログ
過去作ディスと自虐ネタでマイナスポイント獲得しまくりの本作だが、やっぱり安定して面白い。
読み始めてしまえば入間節満載の飄々とした語りでグイグイ持っていかれるし、中盤から終盤にかけては無理やり収束する展開で否応なしに盛り上がる。
厭世観と裏腹な焦燥感、自己肯定への行程。
ところどころ本当に切実で泣ける。
P320が自分の中でこの作品のハイライト。
「やっぱりどれもこれも、私の小説だったんじゃないか。そうなれば話は別だ、と散らかっている小説に微笑む。愛しているぞ、お前ら。」
ブレないんだよなあ本当。
この「心のブレなさ」が入間作品の根幹の魅力になっていて、いつも心を揺さぶられる。