【感想・ネタバレ】果たし合いのレビュー

あらすじ

伝説の将棋ギャンブラー・小池重明の対局を“巌流島の決戦”に模して描いた幻の表題作をはじめ、住み込みの弟子となったたこ八郎との奇妙な同居生活をつづった「思い出のたこ」、幕末における土佐藩の悲劇“堺事件”に着想を得た「駒くじ」など、滋味あふれる八篇を収録。人生の悲哀とユーモアに満ちた名エッセイ。

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Posted by ブクログ

上司が貸してくれた本。筆者はまあ、ある世界での超有名人であるのは承知の上で、随筆の達人であるとの推薦だった。
一つ一つのお話は、随筆にしてはそれなりのボリュームで、最初少し戸惑ったが、いや、なんとも読ませる。ネタばれだが、これはある雑誌に連載した作品集。よって、あるものがお題になっている。ただ、そのお題に寄りかかった話ではなく、ひとつひとつの話が、しっかりとした構成を持ち、かつ、筆者の巧みな文章力によって、ものすごく読み応えのある作品になっている。プロの文章力とはこういうものかと感服した。
随筆のような体裁だが、一つ一つが優れた短編小説の趣をなし、珠玉の私小説集といってもよいと思う。幕末歴史ファンとしては、中でもとりわけ土佐藩堺事件の話がもっとも印象に残った。

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2010年07月09日

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