【感想・ネタバレ】電氣人間の虞のレビュー

あらすじ

「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!? ライターの柵馬朋康(さくまともやす)もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘(いざな)う――。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながら何度後ろを振り返ったことかw

ホラー?ミステリ?と思いながら読み進めたら、まさかのホラーオチ。普段ならこの手のオチ(真犯人の正体は幽霊です的なやつ)は本を投げ捨てたい衝動に駆られるのだけど、この作品はそこへ行くまでのバランスがすごく良く出来ていて、オチも納得。

解説も遊びすぎw

1
2016年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

綾辻行人氏推薦!
「本当に大好きなのです、この作品。
 一人でも多くの人に読んでほしい。読んで、
 喜ぶなり怒るなりしてほしい。そして――
 一緒にぜひ、詠坂雄二を語りましょう」
詠坂雄二・連続刊行第3弾!

“電気人間って知ってる?”
奇怪な都市伝説を軸に連続する不審死。その真相とは!?

語ると現れる。
人の思考を読む。
導体を流れ抜ける。
旧軍により作られる。
電気で綺麗に人を殺す。

作中であまりにも繰り返されているのに単行本時では気づけなかった。
今回、視点に注意するという意味では韮澤少年が出てくるところは特に注意した描写がなされているように思われる。なぜなら、彼だけが……。

そして繰り返しになるがあまりにも大胆すぎるがゆえのトリックには驚かされるし、ラスト2行には苦笑を禁じ得ないところ。
2行なのとその内容から、どう考えてもあの作品へのオマージュではないか。

ミステリ  :☆☆☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆
人物    :☆☆☆☆
文章    :☆☆☆☆

0
2014年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『5A73』がそれなりに反響があったのか、詠坂雄二さんの過去作品が重版され、煽りの帯が付いていた。その中から、年末ランキングで見かけた記憶がある本作を手に取ることにした。過大な期待はせずに読み始める。

 過去ランキングを確認してみると、2010年版『本格ミステリ・ベスト10』第13位、2010年版『このミステリーがすごい!』第20位。微妙な順位である。読み終えてみると、まあそのくらいの順位かなあと妙に納得してしまった。

 一部地域で根強く語られているという「電気人間」の都市伝説。語ると現れ、真相に近付く者は死んでいく。事件性なしと判断された3人の死に、電気人間が関わっているのでは? ライターの柵馬が謎の解明に乗り出すが…。

 序盤の展開は、『5A73』に似ている印象を受ける。謎の後始末をどうするのか。『5A73』以上に、合理的な解決に持っていくのは困難では。『5A73』は幽霊文字というアイデアの秀逸さで興味を持続できたが、本作は電気人間だぜおい。

 内容よりも登場人物の癖の強さが目立つ。死んだ3人。中でも高校生の彼はかなりヤバい。つっけんどんな小学生。そして、棚馬に協力を依頼される、作者と同姓同名の作家・詠坂雄二…。本気なのかふざけているのか悩ましい。

 固定した探偵役がいないのが一つの特徴と言えるだろう。それぞれに謎に迫った面々。多重解決物と言えなくもない。最も確からしいのは詠坂説かもしれないが、残りページ数は少ない。このまま消化不良で終わるのかと思ったら…。

 ある意味、この手の怪異ネタを扱った作品としては、意表を突いた結末と言えるだろう。追い打ちをかけるような最後の1文に唖然とする。何だそりゃ。続きを読みたいような読みたくないような。続きが書かれることはないだろうが。

 失礼ながら、正直滑り気味な本作だが、解説はもっと滑っていると言わざるを得ない。解説者泣かせな作品だとは思うけれども。

0
2023年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

語ると現れ、人の思考を読み、電気で人を殺す電気人間。 真相を追う者は次々と死んでいく。
誰かの流した都市伝説なのか、それとも実在する殺人鬼なのか・・・。  あなたは電気人間を信じてる?

ホラーかミステリーか。 真実はあるのか無いのか。 物語の出口が見えないまま突然の終局へ、フェアとかアンフェアとかどうでもいい人ならたまらない作品だと思う。
全てが明かされることで物語は「電気人間」が主人公のストーリーに様変わりし、タイトルの虞というのが、「電気人間」が語る人を失い消滅することを恐れていることに繋がることが素晴らしい。

0
2023年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

意味深な表題に魅かれて読んだ。なかなか面白かったです。
特に最後、あとがきまで小説の一部であり、これから壮大なシリーズが始まる、と思わせ(思わず調べちゃった!)、終わるのも楽しい仕掛けです。

0
2014年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「電気人間って知ってる?」
一部の地域で語られている都市伝説。語ると現れ、人の思考を読み、電気で人を殺すという。真相に近づくものは次々と死んでいく、電気人間は実在するのか。
ライターの柵馬もまた謎の解明に乗り出すが……。


特定の地域だけで語られる都市伝説、「電気人間」をめぐる噂と事件を描いた一冊
ホラーなのかミステリなのか何なのか、一言でジャンル分けするには難しい本ですが、意外と楽しく読みました。
小学生のキャラクターは、大人びすぎていてあまり小学生っぽくないかな? 中高生でも良かったのではと思わなくもないですが、彼らが語る「普通でない理屈」の話や、作中で出てくる都市伝説論も興味深く面白いです。

結末は納得とかよりひたすら驚き。事件が解決するかと思いきや、実はこの小説一冊が壮大なプロローグだった……?。これはちょっと、続きが気になります(笑)

内容とは関係ない個人的好みの話なんですが、なんだか、登場人物の性欲・性的描写がねっとりしててちょっと気持ちが悪かったかも。そういう描写が頻出するわけではないので(1人の登場人物の語り部分で顕著なくらい)絶対に無理というわけではないんですが、そういう部分は少し苦手でした。

0
2024年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 一部の地域で根強く語られている都市伝説「電気人間」について描かれたミステリ。
語ると現れる。
人の思考を読む。
導体を流れ抜ける。
旧軍により作られる。
電気で綺麗に人を殺す。
とされている電気人間。電気人間についての論文を書こうとした女子大生,赤鳥美春が死に,その死の真相を調査していた日積享,赤鳥美春が調査の際に話を聞いた,小学校の元用務員の竹峰英作という老人が死ぬ。三人の死は心不全とされたが,これほどの短期間に電気人間に関わった人間が死ぬものか?
 フリーライターの柵馬朋康が,ビデオゲーム誌プレスタの特集,実在ダンジョン特集で,電気人間に関係する記事を書くことになる。柵馬は,フリーライター兼小説家の詠坂雄二を誘い,電気人間についての取材を行い,日積も会った韮澤という少年と剣崎という少女に出会う。
 裏表紙の紹介文にも書いてあるが,ミステリか,ホラーか,ジャンルを特定しにくい作品であるが…まぁホラーである。ミステリとすればバカミス。最後のオチ「人間に仇なす妖魔軍団と死闘を繰り広げることになろうとは,その時のわたしは知る由もなかった」という部分も含め,殊能将之の「黒い仏」を思わせる作品である。とはいえ,文章や全体の完成度で黒い仏ほどのデキとはいえない。
 この作品の最大の特徴は,全ての章が「電気人間」ということばで始まり,電気人間について語ったことで電気人間が現れているという設定にある。各章は,一見,三人称で書かれているように見えて,「人の思考を読む」ことができる電気人間の視点で描かれている。この部分は非常によくできており,素直に感心できる。
 しかし,文章・文体が非常に幼稚で,入り込めない。詠坂雄二が語る,ミステリとしてのダミーの解決も極めて平凡。各章が,実は電気人間の視点から描かれた一人称の記述だったというワンアイデアに頼った作品。
 もっと腕のいいミステリ作家がこのアイデアで書いていたら傑作になったかも。そういう意味では惜しい作品★3。

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2016年08月04日

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