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Posted by ブクログ
ミールと呼ばれる巨人の上に住む人々の物語。
外市街に住む主人公のオーリャは初めての調査行から帰ってくると、とある才能から新たな調査行の担当に選ばれた。その調査行での出会いをきっかけにミールでの生活が大きく変化していく…というお話。
この薄さで世界観や設定が、非常にしっかりしていて良い意味で驚いた。
ページ数が少ないが故の終盤の怒涛の畳み掛けがあるものの、前半のモノクロな世界が色鮮やかに変化していく最後の展開は情景が目に浮かぶようでよかった。
ワンダと巨像というゲームをやったことがある方は、情景描写がしやすいのではないだろうか。
設定こそ異なるが、広大な世界というより、矮小な自分たちの世界と初めて見る圧倒的スケールの巨人といった世界観はどちらもファンタジー好きにはたまらない情景である。
これはこれで完結しているので文句があるわけではないが、後日談や前日談、本編のもっと詳細な描写など膨らませる余地は多分にあると思う。
明かされていない設定などがかなりあるだろうから、続編に期待したい。
個人的には登場人物の名前が大変覚えにくかった。日本人が命名したわりにはかなり読みにくい名前だと思う。
Posted by ブクログ
雪の降る寒い日に読み終わりました。とても好きな世界です。
雪原を歩く巨人の背中に作られた都市に住む人々の話…登場人物たちも真摯で好きです。
ここが世界の果てか、と思います。千年の歩みを止めて崩壊した巨人と、住んでいた人々のこれからが気になりますが、ここで終わるのが良いのかもしれません。
寒い日にぴったりな本でした。