【感想・ネタバレ】神曲 天国篇のレビュー

あらすじ

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『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。(講談社学術文庫)

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Posted by ブクログ

長かった物語も、いよいよクライマックスに突入……なのだが、それに伴って難易度もどんどん上がり、なかなか理解することが難しかった。思うに、宗教性がより強くなることが原因ではないか。聖人の名前を出されても、その事績や人となりはすぐには思い浮かべにくい。そのため、大前提として、『聖書』ぐらいは読んでおいたほうがよいのかもしれない。しかも、当然ラスト・シーンはイエス・キリストと対面するのかと思いきや、まさかの聖母マリア。その宗教的な意味はいろいろとあるのだろうが、理解が不十分であることもあり、ココでは多くを語らない。ただ、『地獄篇』が冒険譚としても楽しく読めたことに比べると、この『天国篇』は徹頭徹尾いかにもキリスト教という感じがして、あまりおもしろくはない(苦笑)。もちろん、こういった世界文学を、たんにエンターテインメント的な読みかたをすることは間違いであろうが……。ただ、「ダンテ学」という学問があるぐらいなので、要は学者が一生かかって追究するような書物であるから、一朝一夕に理解できないのもムリはないであろう。ほんとうに身になったかどうかはべつとして、こういった世界的な傑作を読み通せたことはよかったと思うし、また、とくに『地獄篇』にかんしては、想像していたほど退屈でまたメチャクチャ難しいというわけではなかった。機会があれば、いずれまた挑戦してみたい。

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2015年01月12日

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