あらすじ
戦後間もなくより近年まで、延々と血で血を洗う戦いを繰り広げた沖縄ヤクザ。彼らの歴史には一度たりとも平和な時代はなかった。そして民間人、警察官を含む、多数の死傷者を出した長年の抗争の末に、沖縄ヤクザは半世紀以上の時を経て富永清のもとに一つにまとまった……。誰も成し得なかった『統一』をやり遂げた男の人生を描く、実録任侠小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
長く苦しい仲間割れからの抗争時代に終止符を打ち、統一を成し遂げた沖縄ヤクザの戦後史と、その中心にいた侠の話。
苛烈な抗争時代を肌で感じていない自分は、不謹慎ながらもその生い立ちから複雑な沖縄ヤクザの話が好物で、2、3年前に統一がなされたことは記事で知っていたけれど、それまでの軌跡を描いた僕にとっては目鱗の一冊。
任侠の世界、そして敵味方に我ながらも、「沖縄のために」を持ち続けたアツき男たちの話。誉められる仕事では無くて、でもどこか必要悪を背負ってて、沖縄を守りたい気持ちは僕らよりも強くて。主役の富永会長に限らず、そんな男たちばかり。知っておくべき歴史だと思う。