【感想・ネタバレ】サツマイモと日本人 忘れられた食の足跡のレビュー

あらすじ

サツマイモが琉球へ伝わってきたのはいまから400年ほど前、江戸時代のはじめのころ。栄養価が高く、痩せた土地でも容易に育つため、日本各地へ急速に栽培が広まっていく。江戸の飢饉から人々を救ったのもこの芋で、甘藷、唐芋、琉球芋、孝行芋……とさまざまな呼び名で呼ばれるサツマイモは、日本の民衆にとって、ジャガイモと並ぶ「お助けイモ」だった。日本の各地にサツマイモにまつわる寺社が多数建てられていることは、そうしたことの証であり、民衆の感謝の現れであろう。そのように考えた著者は、日本の各地へ、「サツマイモ物語」を求めて、取材旅行に出る。この本は、こうして明らかとなった、サツマイモをめぐるさまざまな足跡を掘り起こす。そして現在も、町おこしの中心作物として栽培され、空爆が続くアフガニスタンの農業支援の中心であり、未来の宇宙ステーションでの宇宙食メニューのエースとして注目されていることを見つける。

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Posted by ブクログ

飢饉・戦中・戦後に人々を救った作物・サツマイモ。本書を読むことによって、その偉大さが理解できた。

それだけでなく、サツマイモ畑に遮熱効果がありヒートイランド対策にもなったり、アフリカの食糧難の救済策、宇宙食に適していたりとサツマイモは今後も大活躍しそう。

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2011年12月14日

Posted by ブクログ

 戦中・戦後の食糧難を支えたサツマイモ。ややノスタルジックというか古色蒼然とした切り口ではあるが、確かにこの芋なくして戦中の食事は成り立たず、いまだ60歳以上の人々の60半分以上が芋といわれればジャガイモではなくこちらを思い浮かべるという。そんな日本人の飢えや窮乏と密接に関わってきたサツマイモにまつわる歴史的な事柄から、町興しへの利用、宇宙食についてまで幅広く取り扱う。全体にライトな出来上りで、身近なものが題材名こともありさっぱり読めてよし。

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2010年12月06日

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