【感想・ネタバレ】黄金色の祈りのレビュー

あらすじ

母校の天井裏で見つかった、盗まれたはずのアルトサックスと、天才プレイヤーの白骨死体。僕は旧友の不審死を題材に小説を書き、人生の一発逆転を狙うが……。成功者に憧れ、理想と現実の間をさすらい続けた末に僕が見出す、最も知りたくなかった真犯人とは? 自意識の闇を精緻なトリックに昇華させた、極上の青春ミステリー。〈解説〉佳多山大地

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Posted by ブクログ

ネタバレ

そこそこブラスバンドで金管をこなせる器用な主人公。後輩の面倒見もよく、次に部長になるのは自分と思っていたが、部長に選ばれたのはユタカだった。。。
後味が悪い嫌ミス。初めて読んだのは学生の頃で、自分が思っている自分像が人からは全く異なる認識されていることが往々に有りそうで怖さすら覚えた記憶がある。
れにしても、周りは主人公が勘違いしないように、もっとはっきり言ってやれよ、とは思う。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

心理描写が生々しすぎて、読んでてしんどい。

強すぎる自意識、若い頃特有の万能感、他人への嫉妬と羨望、挫折感や絶望感、それを隠し通すための自己欺瞞。

たぶん誰もが若い頃に感じたことのある感覚で、大半の人はこういう感覚となんとか折り合いを付けて大人になったんだと思うけど、ここまで精緻に、執拗に描き出せる作家はほとんどいないと思う。

だからこそ、読んでてしんどいし、痛いんだけど。

ただ、同時に、ここまで徹底して描かれることで、「でも、自分はここまでひどくないから大丈夫」とも思うわけで、そういう意味では、恐怖を提供すると同時に安心も提供していて…マッチポンプwww
まぁ、その安心もまた、自己欺瞞なわけだけどw

と、まぁ、ふつうの小説として読んでもかなり面白いけど、
ミステリーとしても、やっぱり面白いです。
…中公文庫版でないなら。


***以下、中公文庫版以外の人にとってはネタバレを含みます***


中公文庫版には、帯がついていて、そこに「一行目から、だまされる!」って書いてあるんだけど…いやいやいやw

乾くるみの『イニシエーション・ラブ』の文春文庫版の裏表紙にあった「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」もそうだったけど、ミステリ・ファンにとっては、ネタバレ甚だしいから!

読み終わっても、ミステリ部分に関しては、「ですよねー」っていう感想しか出ないから!

西澤保彦はミステリー部分だけが持ち味ではないのでまだ救われるけど、他の作家だったらと思うと…。
売り出す側がネガティブ・キャンペーンをしている気がしてならない。

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2014年07月28日

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