【感想・ネタバレ】フリークスのレビュー

あらすじ

狂気の科学者J・Mは、五人の子供に人体改造を施し、”怪物”と呼んで責め苛む。ある日彼は惨殺体となって発見されたが!?――本格ミステリと恐怖、そして異形への真摯な愛が生みだした三つの物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

4.5年振りに読み直した本です。当時の記憶がほぼ無くなってきたので読み返すことにしました。私は「信頼できない語り手」のいる物語がすごく好きなので、精神病棟が舞台となっているこの本は自分の予想もしなかった展開ばかりでとても面白いと思いました。日記をメインに物語が進むので読みやすく、話も短いのであっという間に読み切ることが出来ます。またこの記憶が無くなった時に読みたいです。(いつになるかな?)

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2023年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

精神病棟の患者をテーマにした3つの物語。

3作品ともどんでん返しで面白かった。

日記や小説がこの小説の中で語られるのが面白い。複雑なように思えたがかなり読みやすく分かりやすかった。

精神病となれば、語り手は信用できず虚言、多重人格、記憶喪失は当たり前でどんでん返しには小説・映画共に乱用されているがそれを考えても特異性があって楽しめた。

1つ目の物語は二転三転と物語が展開していくのが中々スリリングであったし、2つ目の物語は根拠のない当てずっぽうでもしや夫なのではと思った予想が当たってしまったが新鮮味があるし、3つ目の物語は小説の中の小説とそれを読んでいる彼のリンクに読む手が止まらなかった。

個人的に3つ目の物語の探偵さんがタイプ。少しシャーロック・ホームズ気質なのが良い。

解説が道尾秀介さんなのもなんだか嬉しい。

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2023年10月21日

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ネタバレ

いろんな方が書いていたが、それぞれの話が短編とは思えない面白さ!精神病院の患者が主人公なので、読んでいて何が現実で何が現実でないのか、一緒に二転三転事実と思ったことが変わっていく。

1話目の悪魔の手、主人公の立ち位置が二転三転…見えているものが現実なのか、妄想なのか。自分が書いた記憶のない日記が出てきて徐々に記憶が明らかになるけれど、その記憶も二転三転。双子の兄妹の記憶とも混同し、現実に存在したのかしないのかも曖昧になっていく。主人公が病んでしまった原因は、そもそも偶然に起きたことだから、主人公が責められるべきではないはずなのに、そう思ってしまったのって両親の在り方が大きいんだろうな。真相を追っていく体験ができたのが面白かった。

2話目、409号室の患者。これも主人公と同じ目線で自分が何者なのかをたどっていく。いつまでも包帯が取れなかったり、見つかった死体と記憶の時期がずれていたり、徐々に違和感を感じる部分が増えて、そこから少しずつ真相に近づいていく。主人公の正体に関してはそうきたか、と驚いたけど、正直あまり感情移入はできなかった。事故にあった夫婦の事件や事故のきっかけが旦那の方の浮気であって、そこから一気に2人の人生がダメになってしまった。それがなんか、一気に冷めた。ストーリーは面白い!

3話目のフリークス。これは1番現実と妄想の区別がわかりづらかったけど、話に出てくるミステリーは惹きつけられた。内容はおぞましいのだけど、しっかりとヒントを読み解けば解ける謎になっている。そのバランスがよいと思った。謎解きも楽しみつつ、現実と妄想の曖昧さに戸惑う。それが面白かった。

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2025年10月02日

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ネタバレ

サラサラと読める3つの短編ミステリー。
個人的には初めの「313号室の患者」の終わり方が1番シンプルでありながらストレートな衝撃を受けた。
この作品を読みながら感じたことは、変わっている、頭がおかしいと思うのはお互い様であって、正常な思考ではない人の話と思って読んでいるこちらは果たして本当に正常なのか、おかしいと思うことが実は狂っているのではないか、と自分を疑いそうになった。
しかし、、そもそもこれは精神病患者の話だった、と独りごちた。

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2023年11月25日

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五、六年前に購入して積んでいたものをようやく消化。綾辻行人作品はミステリを手当たり次第に読んでいた時期にいくつか読んだことがあるような気もするが、何を読んだか覚えていない程度。
最近翻訳小説ばかり読んでいたので文章があまりにも読みやすく少し感動した。言葉運びのテンポもいい。描写は比較的さっぱりしており、テーマに反して口当たりが軽く、短編ということも相まって(そして三作品集めても一冊が非常に薄いので)サッと読める。

短編三作からなる連作集。いずれも舞台は同じだが各話に直接的な繋がりはない。
本屋で表紙買いしたため事前情報なく、単なるサスペンス小説のつもりで読んでいたところ、まず一作目の叙述トリック的結末にパンチを食らう。そういえばこの人ミステリ作家だった。それもあり二作目、三作目はつい穿った見方をしてしまい、結末は予想通り。一作目のパンチが良かっただけに、短編という短いスパンで同じ手を繰り出されるとネタが読めてしまうのが辛いところ。
ただ、ネタは割れつつも三作目「フリークス」ではきちんとした「解ける謎」が胡乱な舞台設定(乱暴な言い方をするなら単なる妄想)の中にあったところは大変良かった。舞台自体を「これは何か?」と考える線とは別に、その舞台の中に秩序立ったフーダニットが仕込まれており、面白かった。
一点、フリークスの「探偵」の正体(本作において正体という言葉を使うのも野暮ではあるが)は、地の文の挙動の描写などから「(物理的に)鏡に映った主人公自身」だと思ったのだが、主人公も探偵も指の欠損箇所はどちらも左手である。鏡は作中作でも登場しており、特に拷問部屋で大鏡が粉々に壊されていた描写は意味深に感じたが、主人公が鏡と対話しているなら探偵の欠損は右手になるかと思うので、結局主人公は一作目の患者のように単なる幻覚と会話していただけなのだろうか。
他人の考察を読み漁りたい作品である。面白かった。

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2021年09月19日

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旅のお共として。精神科病院の患者に関連する3篇の短編集というか、連作短編というか。面白かった。日記とか患者が書いた小説とか、本文の中にまた別文章が入るもの好きだし、そもそも精神病系が好きだし。フリークスって何かと思ったら奇形という意味だそうだ。最後の表題作はほんとひどい話だった。醜い自分のストレス発散のために奇形児を作るなんて。彼らはどうなってしまうのかとフィクションなのに思っちゃう。

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2021年09月10日

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ネタバレ

綾辻さんの本は、館シリーズが好きで、他の本も色々読んでは見たが、いまいち刺さらない。
面白く無いわけではない。
どの話も精神科の入院患者の話で、なんとなく結末が予想できた。
特に、自分が奥さんな愛人がどちらか分からなかった話では、夫だと何となくわかってしまった。

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2022年10月22日

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3編の短編小説から成る、長編だと思ってたのでちょっとがっかり。
どれも主人公=ヤバいやつっていうお決まりな感じで、読んでるうちにだんだんラストのオチが読めてしまって残念。

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2022年03月17日

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ネタバレ

精神病棟のお話なのでなんとも言えぬ
不気味さが漂っております。

雰囲気はすごく良かったのだが
いまひとつオチが弱かったように感じました。

どうも綾辻さんの作品だと
衝撃的などんでん返しを期待してしまうな(^_^;)

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2021年05月31日

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この腑に落ちない気持ちは、なんだ?三一三号室は患者の妄想垂れ流しでバックボーンとオチはなく、四〇九号室は唯一明文化されているけど男性器のくだりいる?って思い、五六四号室は三一三号室にバックボーンを付けたようなオチでした。全体的に曖昧で、すっきりせず、五六四号室は1人で患者役と探偵役に分かれて自問自答していたということなのでしょうが、探偵はどういう感情から生まれたのか想像しかできません。雰囲気は良いのですが、曖昧さを味として押し通そうとするので、人を選びそうだと思いました。私は、グロ含めきつかったです。

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2020年12月13日

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