あらすじ
普天間問題などで、「政治主導」の掛け声虚しく迷走を繰り返した民主党。その原因はどこに? 政策決定プロセス、官僚パワーの精緻な分析から、民主党の蹉跌を読み解く。
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Posted by ブクログ
嵌められた公務員でお馴染みの中野先生の近著。
それなりに面白かったが、もう少し鋭い切り込みを期待したのだが・・・
首相交代が影響した面もあるのかも知れない。
Posted by ブクログ
政治と官僚の関係から著作当時2010年ごろの日本の国家機構について考察した本。
非常にわかりやすく説明されている。特に興味深いのは政策立案における拒否権プレイヤーの考察とコンセンサスの難しさについての考察。
政治家側にブレーンがおらず、政治主導とはいえどまともな政策が上がらない。しかしこれを打開して政治と官僚の良好な関係を築いていけるといい、という趣旨か。
本の著者は、官僚と国民は役所でつながっていて、政治と国民は陳情でつながっているという見方で、政治の役割を利害調整と経済成長という形で捉えている。ルソーの時代ならともかく、今日ではもっと根柢の国家運営が依って立つ価値観を決定するのが政治の役目だろう、と僕なんかは思うのだが。著者の言うとおり、政治が利害調整してきちんとした政策を作り決定し、官僚はそれを運用するだけというなら、官僚は馬鹿でもできるだろう、と思うのは現場を知らないからだとバッシングされてしまうのだろうか。
Posted by ブクログ
本書は元官僚の著者が政策決定のプロセスと官僚パワーの分析から失敗の原因を探った本である。
まず民主党の先生方はこの本をよく読んだ方が良い。最後まで怒らずに読める心の広さと謙虚さが必要であろう。
次に大衆はいたずらに官僚をバッシングする事を止めるべきである。正しい批判とバッシングは異なるものである。一時的に熱しやすく冷めやすい姿勢を改め、長期的に関心を持つ必要があろう。
本書はいま流行りの政治主導という事だけでなく、国民が政治に関わるという事がどういう事なのかを問うている気がします。
Posted by ブクログ
政治主導はなぜ失敗するのかを、日本人のコンセンサスをとって、拒否権をもった人間が多い文化に求め、それほど官僚が権限等をもっていないので、問題は政治家が政治主導を確立できるかであるとしている。
公務員あがり(旧労働省)であって、官僚や公務員の著作も多い筆者であるので、比較的バランス感覚がある本。同時に、時折に暴露話がありやわらかく感じる本である。